【シニアの概況】高齢者の暮らし~経済や生活環境に関する意識/生活環境 2018年1月

徒歩圏内で利用できる施設については、都市規模が小さいほど、「コンビニエンスストア」や「スーパーや商店など商業施設」があるとの回答割合が少ない

徒歩圏内(自宅から500メートル圏内)で把握している利用可能な施設について尋ねたところ、全体では「公民館、集会所」(70.5%)、「コンビニエンスストア」(69.5%)が約7割と多く、続いて「公園」(65.9%)、「スーパーや商店など商業施設」(62.3%)、「医療機関」(59.3%)、「郵便局や銀行など金融機関」(57.0%)の順となっています。

これを都市規模別にみると、大都市では、「コンビニエンスストア」や「スーパーや商店など商業施設」が徒歩圏内にある人が8割以上ですが、町村では、これらの商業施設が徒歩圏内にある人が5割程度となっています。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

 

日常の買い物の仕方について、7割以上は「自分でお店に買いに行く」

主たる日常の買い物の仕方をみると、全体では、「自分でお店に買いに行く」(75.9%)が最も高く、「家族・親族に頼んでいる」(20.6%)と続きます。

「自分でお店に買いに行く」は、大都市で78.0%、町村でも71.1%と高い比率を示しています。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

買い物に行くときの主な手段は、大都市では徒歩、町村では自分で自動車等を運転が一番多い

日常の買い物について、自分でお店に買いに行くと回答した者に主たる交通手段を尋ねたところ、全体では「自分で自動車等を運転」が55.6%と高く、「徒歩」(28.4%)が約3割を占めました。 大都市では、約半数が「徒歩」(50.1%)と回答し、「自分で自動車等を運転」(32.9%)、「家族等が運転する自動車やタクシー」(6.4%)と続きました。 町村では、7割近くが「自分で自動車等を運転」(67.1%)と回答し、「徒歩」(18.7%)、「家族等が運転する自動車やタクシー」(9.7%)と続きました。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

【考察】日常の買い物と運転

生活環境については、日常の主要な行動の1つである買い物に注目します。 全体の7割以上の回答者が、主たる日常の買い物の方法を「自分でお店に買いに行く」(75.9%)と回答しています。年齢別にみても、年齢が高くなるにしたがい低下する傾向があり、75歳以上の男性で62.2%、女性で70.4%です。特に女性では、60~64歳に比べ、24.2ポイント低下しています。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

「自分でお店に買いに行く」者の主な手段は「自分で自動車等を運転」(55.6%)が最多となっており、特に徒歩圏内に商業施設があると回答した者の比率が低い小都市(68.1%)や町村(67.1%)で、「自分で自動車等を運転」の回答が高い率となりました。しかし、年齢別にみると、女性の場合、75歳以上では「自分で自動車等を運転」の割合が18.3%と、60~74歳に比べ大幅に低く、他方で、自分でお店に行く場合は「徒歩」(51.3%)が多くなります。また、自分でお店に買いに行かず、「サービスを利用したり、支援を受けている(計)」(「家族・親族に頼んでいる」と「その他(計)」の合計)(29.6%)の割合が高くなっています(その中では、「家族・親族に頼んでいる」者が多いです)75歳以上の女性では、サービスを利用したり、支援を受けている理由としては、「体力的にお店に行くことが難しい」という回答が60.0%と、60歳~74歳に比べ高くなっています。また、徒歩圏内に商業施設のある人が比較的少ない「町村」の類型でも「体力的にお店に行くことが難しい」との回答が42.9%と高くなりました。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

これらのことから、特に徒歩圏内に商業施設のある人が比較的少ない町村などでは、加齢などによって自動車の運転が難しくなると、自力では食料品等の調達が困難になる可能性がある高齢者が少なくないとみられます。こうした中で、一部の地域では、コミュニティバス、旧小学校校舎での商店開設、NGOなどによる移動販売サービスのような取り組みも広がっています。このような取組みも含め、まちづくりや地域の支え合いなど高齢者が暮らしやすい生活環境の整備が重要な課題となっています。

在宅で利用できる「宅配サービスやネット販売の利用」(2.0%)は極めて低く、この利用状況を同居形態別に見ると、男女ともに二世代世帯(親と同居)においては他の同居形態と比較して利用者の割合が際立って高くなっています。自宅における介護等何らかの事情により在宅する必要の高い環境下に置かれた際に、限定的に利用が広がっているようにも推測されます。

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

出典:内閣府「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(平成28年)

 

記事作成:2018年1月

 



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