株式会社ウェルクス/外国人介護士の受け入れに関する調査結果

介護職の8割「外国人介護士を受け入れても、人材不足は解消しない」。外国人介護士の受け入れに関する調査を、株式会社ウェルクスが実施

4割の介護職が「外国人介護士の受け入れ」に反対・「真心のケア」は国籍に関係なく通じると回答したのは8割に・現場介護職が思う、「介護の質」の決め手とは?

 

介護職の人材紹介サービス【介護のお仕事】(http://www.kaigo-shigoto.com/)を展開する株式会社ウェルクス(本社:東京都墨田区両国)は、介護のお仕事研究所の読者、介護系のSNS(Facebook、Twitter)の読者を対象に、「外国人介護士の受け入れ」に関する調査を実施しました。

【背景】
EPA(経済連携協定)や技能実習生制度により、日本で働く外国人介護士は年々増加傾向にあります。
2015年度では、東南アジア三ヵ国(インドネシア・フィリピン・ベトナム)で合計568人の外国人介護士が来日しました。410人であった2014年度から、受け入れ数は確実に増加しています。

厚生労働省によると、2025年に国内で不足する介護職の数は約38万人。外国人介護士の受け入れは、人材不足解消を期待されて、今後ますます進んでいくことでしょう。

しかし外国人介護士の受け入れについて、「トラブルが発生するのでは」と懸念する声も上がっています。そこで外国人介護士と一緒に働くことになる現場職員に、「自分の職場に外国人介護士が入職してくること」について伺いました。

【調査結果】
■現在、外国人介護士と一緒に働いているか質問したところ、「一緒に働いている」が24.7%、「一緒に働いていない」が75.3%となりました。
 

 

■自分の職場に外国人介護士が入職することについて、賛否を質問したところ、「賛成」が56.8%、「反対」が43.2%となりました。
 

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■「外国人介護士の入職に賛成」と回答した方に対して、その理由について質問したところ、以下の回答がありました。

「様々な価値観が身近に感じられ視野が広がる気がするから」(20代・女性)

「それなりの意欲のある方なら消極的賛成。基準を満たしていても人手は足りなすぎる」(30代・女性)

「どんな職種にも外国人はいるのに、介護職が何故純血主義なのか、そちらのほうがわからない」(40代・男性)

「利用者にも外国人がいるから」(30代・男性)

「以前勤めた特養に、フィリピンの方が二人いた。言葉の問題は多少あったが、ケアの細やかさは、日本人よりも上と感じた」(40代・男性)

 
■「外国人介護士の入職に反対」と回答した人に対して、その理由について質問したところ、以下の回答がありました。

「以前中国のかたと働いたが、入居者に対する言葉がキツかった。皆そうではないと思うが…」(20代・女性)

「外国人介護士ではその地方の方言などが分からず、利用者とのコミュニケーションに不安がある。また、少なくとも外国人介護士を入職させる前に介護士の賃金を他業種なみに引き上げるのが先だと考えるから」(30代・男性)

「まず日本人の賃金を上げることが先決」(40代・女性)

「安価な労働力の確保をしようとしているが、介護は身体介護だけでなく家事援助もあるので生活様式が異なる外国人労働者は適していないと思う」(30代・男性)

「訪問介護は利用者様やご家族の理解が困難だと思われるため」(50代・男性)
 

■外国人介護士をたくさん受け入れることで、人材不足が解決するという希望的な意見があります。受け入れをすれば本当に人材不足は解決すると思うか質問したところ、「そう思う」が17.3%、「そう思わない」が82.7%となりました。

 

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■自分が利用者だとして、外国人介護士に介護されることになったらどう思うか質問したところ、「介護士に国籍は関係ない」が60.5%、「外国人介護士には介護されたくない」が39.5%となりました。
 

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■外国人介護士について、受け入れると「介護の質が下がる」という意見があります。その中で「介護の質」とは何によって決まると思うか質問したところ、以下の回答がありました。

「利用者、一人一人に適した対応が出来るか、出来ないか」(20代・男性)

「安定した雇用形態。その上に成り立つ介護技術。そして、利用者との相互のコミュニケーション」(30代・男性)

「利用者にどれだけ信頼されているか。またはどれだけ利用者にとってどれだけ穏やかに生活できるか」(40代・女性)

「介護過程の理解。根拠を持って介護を実践できる力。多様な方とコミュニケーションを図ることができ、一人一人異なる生活を理解し、利用者それぞれのQOLを高めるために力を発揮できること。など」(30代・男性)

「やる気のない介護師に介護される方がよっぽど介護の質が下がると思うので、介護の質は、介護師本人のやる気と思い遣りを持って仕事に取り組むことが介護の質なのかなとおもっています」(40代・女性)
 

■外国人介護士に長く働き続けてもらうには、どのようなサポートをしてあげるとよいと思うか質問したところ、以下の回答がありました。

「私生活でも気軽に相談が出来るような関係作り」(20代・女性)

「してあげるというのが甚だ疑問。馴染む努力をして欲しい。これは、外国人でなくても言える事ですが」(30代・女性)

「職場単位だけではなく、地域ぐるみの対応が必要。孤立化を防ぐ仕組みづくり」(30代・男性)

「給料は日本人と同水準は必須」(40代・男性)

「母国語でコミュニケーションをとれる同僚や上司の存在」(40代・女性)

 
■介護をする上で大切な『真心のケア』は、国境を超えて利用者さんに伝わると思うか質問したところ、「そう思う」が79.0%、「そう思わない」が21.0%となりました。

 

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■「国や人種、言語を超えた介護」についてどう思うか自由な意見を募ったところ、以下の回答がありました。

「真心があれば受け入れてくれるし、仕事もなんとか教えたい」(20代・女性)

「フィリピン人、パキスタン人、韓国人、中国人の介護士と一緒に仕事したが、中でもフィリピン人介護士は利用者からの人気も高く、明るく、働き者だ。彼女たちはやる気をもってはたらきに来る。それを育てきれる職場かどうかが一番の問題であると感じている」(40代・女性)

「言語や介護技術だけではありません。その国の文化、習慣を理解していただけないまま、ただ祖国のために働きに来るのであれば断固抗議したい」(30代・女性)

「国や人種、言葉をこえてまで介護をしたい人はなぜそう考えるのか?また、国や人種、言語を超えた人に介護されたい人はどういった生活をしているのか。そこが知りたい」(30代・男性)

「今現在、介護される側の方々の世代は、外国人との関わりがあまりなかったと思うので、自分の身の回りをお願いするには不安があると思うが、これからの人達が介護をされる立場になった時には、今よりも壁は薄くて低くなると思う」(40代・女性)

その他の設問はこちらです。
・外国人介護士を受け入れることで、職場や利用者さんにどのようなメリット・デメリットがあると思いますか?

・もし自分が逆の立場だとして、海外で外国人相手に介護をするとしたら、やっていけると思いますか?

・介護スキルを上げるために努力・行動をしていますか?している方は、どのようなことをしていますか?

・海外の人々にも伝えたい、日本の介護の素晴らしさはどのような点にありますか?

全調査データは介護のお仕事研究所のページにてご確認いただけます。
http://www.kaigo-shigoto.com/lab/archives/5137

■アンケート調査概要
・調査期間:2016年10月24日(月)~11月16日(水)
・調査対象:介護のお仕事の読者のほか、介護系のSNS(facebookページ、twitter)の読者となっている全国の20代~60代の男女81名
・男女割合:男性/51.9%・女性/48.1%

【株式会社ウェルクスについて】
株式会社ウェルクス(URL:http://www.welks.co.jp、本社:東京都墨田区、代表取締役:三谷 卓也)は、人材不足が問題といわれている保育士や介護職の人材紹介業を中心に事業展開しています。近年では認知症に関するメディア事業のほか、放課後等デイサービスの運営や訪問マッサージ業も展開しており、福祉領域の課題解決を行っています。

【介護のお仕事とは】
介護のお仕事(http://www.kaigo-shigoto.com/)とは、介護職専門の転職支援・適職紹介サービスです。主に転職や復職にて、介護施設や事業所で働きたい介護職の方と求人中の施設・事業所とを仲介する形で、復職・転職を全面的にサポートしています。特養、老健、グループホーム、デイサービス、サ高住など、幅広い就業先をご用意しています。その他、介護に携わるうえで役立つ情報を【介護のお仕事研究所(http://www.kaigo-shigoto.com/lab/)】を通じて紹介しています。

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