■あおぞら銀行×上智大学・共同研究■「あおぞら上智シニア消費指数」前年・属性別指数比較~シニアの消費意欲は、前年よりやや上昇し、男性に比べ女性が強い ~

株式会社あおぞら銀行(代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO):馬場信輔、 本店:東京都千代田区)と、 上智大学(学長:曄道佳明、 東京都千代田区)は、 2017年2月よりシニア層の消費動向・意欲を指数化する研究を共同で進めてまいりました。 この研究で明らかとなった指数を「あおぞら上智シニア消費指数(以下、 「シニアの消費指数」)」と名づけ、 シニア層をターゲットとするビジネスに携わる業界(旅行、 流通・小売、 健康サービス、 食品・家電メーカー等)にとって、 シニア市場動向の基礎資料となることを目的として調査を行っています。 今般、 調査開始より1年8ヶ月経過し、 地域別・男女別のシニア消費指数を算出しました。

 

1.    シニアの消費指数2017年2月~2018年9月の概要

●シニアの消費意欲は、 2017年に比べ2018年の方が全体的にやや強い

★2017年2月から調査を開始した「シニアの消費指数」は、 2017年8月までは計測開始時点の38.0を上回ることがなく下降トレンドでした。 しかし2017年9月に反転すると、 10月から12月まで38.0を上回り、 シニアの消費意欲が年末かけて高まる傾向を示しました。 2018年は、 1月に計測開始以来最低の34.8に落ち込む一方、 3月には計測開始以来最高の39.5に上昇しましたが、 その後は低下傾向となっています。 (グラフ1) 今年度上期(4~9月の平均)と前年度上期との比較では、 前年度の36.5に対し今年度は36.7と、 ともに基準値の50には届かず弱含みながら、 今年度の方が前年度よりシニアの消費意欲が若干強いと言えます。 2017年2月~2018年9月の指数値(原系列)は、 以下のとおりです。

 

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<「あおぞら上智シニア消費指数」の見方と留意点>

シニアの消費動向・意欲が強くも弱くもない基準値が50となるように算出し、 基準値に対して数値の上下によって、 消費動向・意欲の強弱を表しています。 より精度を高めるため、 調査サンプルと人口構成との間に生じる誤差を、 国勢調査データを用いた事後層化にて処理しています。 一方、 当面発表する指数は、 季節調整前の原系列であり、 今後、 季節調整、 異常値の処理、 既存消費動向調査との相関度の検証などを経て、 遡及改定の可能性がある速報値として発表しています。 原系列とは、 算出された指数について季節調整等を行っていないデータのことです。

 

●消費意識調査個別項目の最近の傾向(前回発表2018年4月以降)

~2018年7月に「外食」への意欲が過去最高、 9月に「レジャー」への意欲が過去最低~

★2018年7月に、 設問10「来月は外食を増やしたい」が過去最高の35.29となりました。 逆に、 8月は設問2「来 月は今月より支出が増えそうだ」、 9月は設問4「レジャーや趣味への出費を増やすつもりだ」の2項目が過去最低に落ち込み、 夏場のシニアの消費動向は特徴的な動きを示しています。 (表1)

 

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●今年度上期(4~9月)の個別項目の前年度同期との比較

~今年度上期の「旅行」「耐久消費財」の意欲は前年度より上昇、 「レジャー」の意欲は低下~

★今年度上期(4~9月)の個別項目の前年度同期との比較では、 10項目中7項目が前年度より増加しました。 特に今年は、 例年以上に猛暑だったため、 設問7「耐久消費財などの買い時としてはいいタイミングだ」が前年度より大幅に高い結果となりました。 一方、 設問4「レジャーや趣味への出費を増やすつもりだ」は大きく減少しました。 今年度は「耐久消費財」など、 ある程度まとまったお金を使う高額消費への意欲が高まり、 反対に、 より日常的な「趣味」への消費意欲は弱まっています。 (表2)

 

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2.    属性別消費指数の比較(地域別・男女別)

関東・近畿・その他の地域*の消費意欲の比較

~シニアの消費意欲は、 関東・近畿がその他の地域よりも旺盛~

★調査開始以降の「シニアの消費指数」を地域別で比較すると、 20ヶ月のうち15ヶ月で関東が1位、 5ヶ月で近畿が1位となりました。 一方、 関東・近畿以外の地域が1位になる月はなく、 その他の地域の消費意欲は弱いと言うことができます。 (グラフ2)

 

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★個別項目を地域別で比較すると、 地域によって大きな差がない項目が、 設問2「来月は今月より支出が増えそうだ」であり、 逆に差が大きい項目は、 設問5「1か月以内に、 友達と外出するつもりだ」でした。 生活必需消費は全国的に差が出にくい消費傾向であるのに対して、 「友人との外出」は都市圏に偏りがちな消費であることが分かります。 (グラフ3、 4)

 

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●男性と女性の消費意欲の比較 ~消費に対する意欲は、 女性のほうが男性より高い~

★調査開始以降の「シニアの消費指数」の平均値は37.0でしたが、 男女別では女性の39.1に対して男性は34.8と、 女性の方が男性より消費意欲が高い傾向にあります。 また、 この差は各月で変動することもなく一定の差が保たれており、 常に女性の方が消費意欲は高く、 性別による消費意欲差は顕著でした。 (グラフ5)

 

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★個別項目別における男女比較で、 男女差が少なった項目は設問3「3か月以内に旅行をするつもりだ」であり、 逆に男女の差が大きかった項目は、 設問5「1か月以内に、 友達と外出するつもりだ」でした。 この設問(「1か月以内に、 友達と外出するつもりだ」)の調査開始以降の平均値は、 女性は53.1、 男性は37.5と大きな差があり、 季節による男女差の変化はなく、 常に女性は高水準、 男性は低水準でした。 同じ外出でも、 「旅行」意欲には男女差がないにもかかわらず、 普段の「友人とのお出かけ(外出)」となると、 女性の方が男性より大幅に積極的であることがわかりました。 (グラフ6、 7)

 

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3.  学会での指数発表について

●2018年度統計関連学会連合大会で本件に関する研究経過を公表しました ★本共同研究に参加している上智大学の竹内明香准教授は、 シニアの消費指数について、 「統計関連学会連合大会」(2018年9月開催)にて学会発表を行いました。 今後もシニアの消費指数について、 幅広い活用に貢献するべく調査を進めてまいります。

 

■過去リリースの誤記載について

2017年9月27日のリリース以降公表しているシニアの消費指数の「前月比」と「前年同月比」に誤記載がありました。 数値算出方法に合わせ、 本リリースより名称を「前月差」と「前年同月差」に変更いたします。 名称は変更しますが、 公表していた数値の変更はございません。

 

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あおぞら銀行および上智大学について

あおぞら銀行は、 個人のお客さま向け業務において、 日本の60代を中心とするチャレンジ精神旺盛でアクティブな世代を「Brilliant60s=輝ける60代」と名付け、 ポジティブな人生をおくるサポートをすべく、 シニア層のお客さまへの資産運用コンサルティングに注力しています。

上智大学は、 シニア層の意識や行動の動きや要因を把握することで、 日本のシニア層が幸せな生活を送るための研究の基盤としていきたいと考えています。 共同で取組むこのシニア層に特化した消費動向・意欲の指数化は、 国内初です。

 

その他の「あおぞら銀行×上智大学・提携プロジェクト」について

あおぞら銀行は、 2017年5月、 本社を上智大学四谷キャンパスにあるソフィアタワー内に移転しました。 あおぞら銀行と上智大学との提携プロジェクトにつきましては、 本共同研究の他、 経済学部における連携講座の開講などがあります。

 

★連携講座「バンキング基礎演習」

あおぞら銀行グループの役職員が、 豊富な実務経験と専門知識を基に、 上智大学で金融論の実践的講義を行うものです。 本講座を開設することにより、 国際性豊かな教育で著名な上智大学の学生の金融リテラシー向上を支援します。

 

★金融講座「フィナンシャル・アカデミー」

あおぞら銀行と上智大学公開学習センターの共同企画として、 これからの「資産形成」についてやさしく解説する金融講座を、 上智大学ソフィア・コミュニティ・カレッジ(公開講座)の2018年度秋期講座として開講しています。

 

また、 あおぞら銀行では、 上智大学生を対象とし、 業務体験型インターンシッププログラムも実施しています。

 

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別紙1:「あおぞら上智シニア消費指数」の開発について

「あおぞら上智シニア消費指数(以下、 「シニアの消費指数」)」は、 2016年7月にあおぞら銀行と上智大学が共同研究を合意し、 開発したものです。 2016年8月以降、 指数開発に向け、 インタビュー調査やインターネット調査を多数実施してまいりました。 調査実施時点における、 近い将来の支出意向や増額意向などを調べることで、 数ヶ月先を見据えた先行指標として、 シニアをターゲットとするビジネスに携わる業界(旅行、 流通小売、 健康サービス、 食品・家電メーカー等)にとって、 基礎資料としての利用が期待できるものと考えています。

 

1.シニアの消費指数の開発プロセス

●シニア世代の生活や価値観に関するデプスインタビューを実施。 (2016年8月~10月)

★上智大学総合人間科学部心理学科が、 あおぞら銀行の顧客(60代70代男女12名)に対して、 1名あたり1.5時間~2時間の1対1デプスインタビュー調査を実施し、 シニア世代の生活や価値観に関する生の声を多量に抽出しました。

 

●インタビュー調査結果を基に、 75問の意識調査設問を策定。 2回の予備アンケート調査を実施。 (2016年11月~12月)

★インタビューから得られた生の声をもとに、 上智大学経済学部がシニアの消費行動に関する75問の意識調査設問を策定しました。

★上智大学経済学部監修のもと、 75問の意識調査の設問を絞り込みのため、 2回の予備意識調査(アンケート)を実施しました。  (1回目200サンプル、 2回目1,000サンプル)

★2回の予備意識調査方法は、 ともにインターネット調査を採用しました。

 

●予備アンケート調査結果から消費行動の重要因子を解析。 本調査用の意識設問22問を決定。 (2017年1月)

 

● 選定した22問の意識調査設問を60代70代男女1,000名に対して定点調査。 (本調査) 消費行動に影響を与える設問10問を指数の算出設問として採用。 (2017年2月以降毎月)

★選定した22問を本調査設問として、 1,000名のシニア(60代70代男女)に対して毎月調査を実施しました。

★シニアの消費指数算出にあたっては、 22問の意識調査設問のうち、 消費行動に影響を与える要因として選択された10問を使用しました。 本調査における調査方法も、 インターネット調査を採用しました。

★統計手法は、 設問に対して5択で回答した結果を数値化するDiffusion Index(DI)を採用しました。

★今後、 原則毎月第4金曜日を調査基準日とし、 1,000名に対して意識調査を月次で実施し、 翌月に発表する予定です。

 

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