2019.9.27 介護サービス利用の手続き

これまで、「介護保険制度とは」にて介護保険制度の基本的な考え方~介護保険制度の仕組み、介護保険の財源構成と規模について。「介護サービスの種類」にて、介護保険給付の種類~介護サービスの種類について。「介護予防サービスの種類」にて、介護予防とは~介護予防サービスの種類について、それぞれご紹介しました。

今回は、介護サービスを受けるための実際の手続きについて、厚生労働省で公開されているものをご紹介します。

 

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実際にサービスを受けるには?

まずは、居住地の市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む)の申請をします。申請後は市区町村の職員などから訪問を受け、聞き取り調査(認定調査)が行われます。また、市区町村からの依頼により、かかりつけのお医者さんが心身の状況について意見書(主治医意見書)を作成します。

その後、認定調査結果や主治医意見書に基づくコンピュータによる一次判定及び、一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。

介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっていますので、自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてサービス計画書(ケアプラン)を作成し、それに基づきサービスの利用が始まります。

 


サービス利用までの流れ

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①要介護認定の申請

介護保険によるサービスを利用するには、要介護認定の申請が必要になります。申請には、介護保険被保険者証が必要です。
40~64歳までの人(第2号被保険者)が申請を行なう場合は、医療保険証が必要です。

 

 

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②認定調査・主治医意見書

市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。
主治医意見書は市区町村が主治医に依頼をします。主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要です。

※申請者の意見書作成料の自己負担はありません。

 

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③審査判定

調査結果及び主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行なわれます。(一次判定)
一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれます。(二次判定)

 

 

pic_flow_section2_4④認定

市区町村は、介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定を行ない、申請者に結果を通知します。申請から認定の通知までは原則30日以内に行ないます。認定は要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。
【認定の有効期間】
■新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)
■更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)

 

pic_flow_section2_5⑤介護(介護予防)サービス計画書の作成

介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。

 

pic_flow_section2_6⑥介護サービス利用の開始

介護サービス計画にもとづいた、さまざまなサービスが利用できます。
※介護保険で利用できるサービスの種類と内容は過去の記事をご参照ください。
マーケターのつぶや記「2019.8.30 介護サービスの種類」
マーケターのつぶや記「2019.9.12 介護予防サービスの種類」

 

 


ケアプランとは

 

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ケアプランは、被介護者がどのような介護サービスを受ければ、質が高く自立した生活が送れるようになるかを考慮した上で、介護サービスを組み合わせた計画書のことです。被介護者本人はもちろん、その家族も含めより充実した生活を送れるよう、長期的、短期的な目標が設定されています。

介護保険サービスを受ける場合、要介護者、要支援者のどちらにもケアプランは必須となり、要介護者の場合は「ケアプラン」、要支援者の場合は「介護予防ケアプラン」と呼ばれます。要介護者の「ケアプラン」は、民間事業者である居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーが作成し、要支援者の「介護予防ケアプラン」は利用者が住む地域を担当する地域包括支援センターが作成します。

ケアマネジャーへの報酬はすべて介護保険でまかなわれているため、ケアプラン作成による利用者の自己負担はありません。また、被介護者の身体状況が変化するたびに作り直すことができます。

尚、いくらケアマネジャーに専門的知識があっても、自分の生活を他人に知られることに抵抗を覚える方は、被介護者や家族自身で作成することも可能で「セルフケアプラン」と呼ばれます。時間や手間がかかりますが、ケアプランに被介護者と家族の考えを反映させやすく、すぐに実行に移せるメリットもあります。

 

出典:厚生労働省 サービス利用までの流れ

 


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