サントリー食品インターナショナル/サントリー100年ライフプロジェクト「ウェルビーイングトレンドサーベイ2019」調査結果発表

人生100年を踏まえた、認知症・生活習慣病への関心は若者にも。
健康行動の習慣化に苦労しながらも、手軽に楽しくできる行動を模索

サントリー食品インターナショナル(株)では、「健康で、前向きに、自分らしく生き続けたい」と願う方々に寄添い、サポートできる企業でありたいという想いのもと、昨年9月より「100年ライフ プロジェクト」(ニュースリリースNo.SBF0746参照)を発足しました。その活動の一環として、2014年より実施している「健康と飲料レポート」を発展的に拡張し、「ウェルビーイングトレンドサーベイ」を実施しました。「人生100年時代」に向けた意識について、調査結果を一部抜粋してご報告いたします。

調査結果サマリー

1.人生100年時代、将来の不安は「がん」より「認知症」。
気になる健康ワードは高血圧や糖尿病などの生活習慣病が上位に。
■「人生100年時代」の認知は85.2%。年代を問わず広く浸透している。
■健康寿命への意識の高まりから、「がん」よりも「認知症」を不安視する傾向。
■「気になる健康キーワード」は、「特になし/わからない」が半数を超える一方で、「高血圧」「糖尿病/高血糖」など生活習慣病が上位に。
■健康に関するトレンドワードで気になるものは「メタボリックシンドローム」「免疫力」「糖質制限」「腸内フローラ」が上位。

2.「人生100年時代」の受け止め方に世代間ギャップ!?
自分事化し備える20代男性、今を生きる50代女性、元気なシニア
■「人生100年時代」を自分事として受け止める傾向は、男性では20代、女性では30代で高く、ともに70%を超える。
■一方、50代女性では「関係ない」「行動を起こしたくない」の回答割合が高い。
100年時代は「幸せ」よりも「負担」に思う人が多く“今”を楽しみたい傾向。
■70代シニアは「同世代より健康」と回答、活気に満ちた姿勢が見られる。
■若い世代ほど短期的成果を求め、ストイックに健活に励む傾向。

3.無理なく習慣化し、楽しく効果を出せる「予防健活」が新たな兆しに
■70%以上が健康行動を実施しているものの、習慣化に至る割合は37%にとどまる。
■健康行動ができない理由として「お金がかかる」「意思が弱い」「手間がかかる」が上位。
■予防の意識が高く、約75%の人が無理なく楽しくできる健康対策を望んでいる。
■若い層で伸張する健康管理系ウェブサービスの利用率。
20代男性には健康データに関心の高い“ウェルテック男子”の傾向がみられる。

 
<調査概要>
調査名称:ウェルビーイングトレンドサーベイ
調査地域:全国
調査期間:2019年8月13日(火)~8月16日(金)
調査手法:インターネット調査
調査対象:20~70代の男女
※飲料・食品・医薬品、広告・マスコミ・調査関連に従事する人を除く
調査人数:スクリーニング調査 30,000人
(男性14,805人、女性15,195人)
※人口構成比に合わせてウェイトバック集計
本調査 2,700人
(男性1,330人、女性1,370人)
※人口構成比とスクリーニング出現率に合わせてウェイトバック集計

目次
Ⅰ.「人生100年時代」への姿勢と健康不安への意識
(1)「人生100年時代」の認知率
(2)将来気をつけたい/予防したい症状
(3)気になる健康に関するキーワード
(4)気になる健康トレンドキーワード
 
Ⅱ.「人生100年時代」に対する姿勢
(5)「人生100年時代」の受け止め方と備えの意識
(6)「人生100年時代」と幸福観
(7)健康に関する現状認識

Ⅲ.「人生100年時代」における健康対策
(8)健康行動の実施状況
(9)興味のある健康行動と現在行なっている健康行動の差分
(10)健康のために行いたい行動
(11)健康行動ができていない理由
(12)健康のために行う行動の考え方
(13)健康対策に対する考え方
(14)健康関連サービスの利用率

※健康行動とは、調査表項目における食事、運動、睡眠等を含めた健康に関する行動を指します。

Ⅰ.「人生100年時代」への姿勢と健康不安への意識
人生100年時代、将来の不安は「がん」より「認知症」。
気になる健康ワードは高血圧や糖尿病などの生活習慣病が上位に。 

(1)「人生100年時代」の認知率
「人生100年時代」認知率は85.2%と広く浸透。
特に60代、70代のシニア層で認知率は高い傾向。
 
「人生100年時代」の認知率は全体で85.2%と、言葉としては広く知られていることがわかります(図1)。
「内容を知っている」「見聞きしたことがある程度」を合わせた認知率を見ると、男性60代・70代、女性70代が高い傾向にあります。一方で、「内容を知っている」と答えた年代は男女ともに20代が最も高く、約30%にのぼります。

 

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(2)将来気をつけたい/予防したい症状
人生100年時代に、予防したい症状はがんをおさえ「認知症」が1位。
健康寿命への意識の高まりから、自立した生活への思いが強い。
 
人生100年時代について「内容を知っている」と回答した人に、将来気をつけたい/予防したい症状を聞いたところ、1位は「認知症(48.2%)」でした(図2)。これは「がん(45.4%)」よりも高い数値となっており、人生100年時代に向けて健康寿命が重視され、生涯にわたって自立して“よく生きる”ことに対し意識が向いていることがうかがえます。

 

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(3)気になる健康に関するキーワード
「気になる健康キーワード」は、「特になし/わからない」が半数を超える一方で、
「高血圧」「糖尿病/高血糖」など生活習慣病が上位に。
 
最近、気になっている健康に関するキーワード(病名、症状、健康法など)について、自由回答で聴取しました。「特になし/わからない」と回答した人は52.2%で、健康関連のキーワードを意識している人は約半数にとどまりました(表1)。
キーワードのうち最も多く挙げられたのは「高血圧症」で、「糖尿病」、「メタボリックシンドローム」といった他の生活習慣病に関するキーワード、調査を実施した8月に頻出したキーワードである「熱中症」を上回りました。

 

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(4)気になる健康トレンドキーワード
健康に関するトレンドキーワードで気になるのは
「メタボリックシンドローム」「免疫力」「糖質制限」「腸内フローラ」。

最近メディア(TV番組、雑誌・ウェブ記事など)で話題になっているキーワードについて、気になっているものを選んでもらったところ、「メタボ」「免疫力」「糖質制限」「腸内フローラ」が上位に挙がりました(図3)。昨年の調査から、上位項目に変化はなく、これらの健康キーワードには関心が定着していることが分かります。

 

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Ⅱ.「人生100年時代」に対する姿勢
「人生100年時代」の受け止め方に世代間ギャップ!?
自分事化し備える20代男性、今を生きる50代女性、元気なシニア
 
(5)「人生100年時代」の受け止め方と備えの意識
若い層ほど「人生100年時代」は自分事であり
将来に備えようという意識が高い。

「人生100年時代」と聞いてどう考えるかを聞いてみると、「自分事と受け止められる」という回答が60.5%、「将来に備えたいと思う」という回答が72.9%ありました(図4)。若い層においてその割合は高くなっています。特に20代男性は「自分事と受け止められる」と答えた人は75.9%と他の性別年代に比べて5ポイント以上高く、「将来に備えたいと思う」では85.5%と、女性30代(87.0%)に次いで2位となりました。年金問題や雇用の先行きの不透明さといった社会背景を受けて、若い世代では堅実な備えを重視していることがうかがえます。
一方で、「自分とは関係ない」「特に行動を起こそうとは思わない」と回答した割合が比較的高かったのが50代女性でした。人生の折り返し点を迎え、将来を不安視するよりも“今”に関心が高いことが推察されます。

 

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(6)「人生100年時代」と幸福観
人生100年時代の到来は、若い層とシニア層は「幸せ」、
中間層は「幸せ」と「負担」が半々。
50代女性は「長生きしなくてもいい」割合が高く、ここにも刹那的な傾向が。

「人生100年時代」に対して、「幸せだと思う」と回答した人は55.3%と半数をやや超えました(図5)。20代男性と70代男女は「幸せだと思う」と答えた人の割合が高く6割を超えましたが、30代から60代の中間層は、「幸せだと思う」と「負担に思う」の割合が拮抗しています。
50代女性は「幸せだと思う」人が44.9%と、他の年代に比べて低いことが分かりました。また「長生きしなくても大丈夫だと思う」と考える人の割合も64.1%と著しく高く、50代女性は“今”を大切に生きたい、あるいは長生きを幸せだとは思わないという、未来を重視しない傾向があることがうかがえます。

 

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(7)健康に関する現状認識
70代シニアは「同世代より健康」と回答、活気に満ちた姿勢が見られる。
 
「自分は同世代と比べて健康だと思う」という意識が最も高かったのは70代で、全体の36.8%よりも14.7ポイント高い51.5%でした(図6)。現在の自分の健康に自信があり、生き生きと前向きに健康に向き合うさまがうかがえます。

 

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Ⅲ.「人生100年時代」における健康対策
無理なく習慣化し、楽しく効果を出せる「予防健活」が新たな兆しに。
健康関連サービスの利用率も若い世代で高まってきている。

(8)健康行動の実施状況
7割が普段から健康行動を実施。
習慣的に健康行動を実施している人は特に70代男性に多い。
 
健康のための行動を行っているかという質問に対しては、「習慣的に行っていることがある」「ときどき行っていることがある」を合計すると71.9%にのぼりました(図7)。健康行動を習慣的に実施している人は70代で特に多く、男性62.1%、女性53.2%でした。

 

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(9)興味のある健康行動と現在行なっている健康行動の差分
健康のために行いたいが、理想に行動が伴わないのは「休養」と「運動」
「十分な休養」を重視する傾向が高い。

興味がある健康行動と、実際に現在行っている健康行動の差分を出してみると、最もギャップが大きかったのは「十分な休養をとる(差分23.8ポイント)」と  「健康的な筋肉量を保つ(差分19.7ポイント)」でした。健康の三大要素「食事・休養・運動」のうち休養と運動については重要だという認識があるものの、行動が伴わないことが浮き彫りになりました(図8)。
現在行なっている健康行動では、「十分な休養をとる(29.7%)」が最も多かったものの、興味のある健康行動との差分が大きいことから「十分な休養」への重視度の高さがうかがえます。

 

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(10)健康のために行いたい行動

健康のために行いたい行動、現在行っている行動は
「ウォーキング」「ストレッチ」などの手軽に取り入れやすい「運動」が上位。
 
健康のための行動についての自由回答では、興味を持っているもしくは行いたいと思うことの1位は「歩く・ウォーキング(29.4%)」がトップで、次いで「運動(25.6%)」がと上位に挙がりました(表2)。
現在行っている健康行動についてもトップは「歩く・ウォーキング」で、30%超と突出して高い割合でした。2位の「ストレッチ・柔軟(11.9%)」とあわせ、特別な道具や場所がなくてもでき、難易度も低い運動がよく行われています。

 

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(11)健康行動ができていない理由
健康行動を実施したいのにできないのは
「お金や手間がかかる」そして「自分の意思が弱いから」。
 
健康行動を実施する意向があるにもかかわらずできていない人を対象に、その理由を聞いてみると、「お金がかかる(42.3%)」が1位で、「意思が弱い(40.8%)」「継続するのに手間(37.1%)」が続きました(図9)。

 

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(12)健康のために行う行動の考え方
若い世代ほど短期的に健康行動の効果を求める傾向。
“楽しく効果を出したい”が多数。
男性20~40代にはややストイック志向が目立つ。
 
健康行動について、ストイックに取り組みたいか、楽しく取り組みたいかを聞いた設問では、「楽しく取り組みたい(74.6%)」が「ストイックに取り組みたい(25.4%)」を大きく上回りました(図10)。ただし男性20~40代では「ストイックに取り組みたい」と回答する割合が高く、他の性別年代では10~20%台であるのに対し、35~50%台と、大きな差が見られました。
また、健康のために行う行動の効果について、短期間に結果を出したいか、あるいは長期的に維持したいかをたずねたところ、両者は拮抗していました(「短期的に結果を出したい」51.0%、「長期的に結果を維持したい」49.0%)。男女ともに若い層ほど短期的な結果を求める傾向にあります。

 

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(13)健康対策に対する考え方
無理なく続けられる健康対策を望む人が3/4を占める。
 
「無理なく続けられる方法で健康対策がしたい」と考える人は75.8%と、全体の3/4を占めます(図11)。

 

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(14)健康関連サービスの利用率
健康関連サービスは、計測アプリやスマートウォッチなどに注目が集まる。
20代男性は健康行動やデータの記録を取りたい“ウェルテック男子”の傾向も。

利用している健康関連サービスについて、2018年に実施した調査結果も 合わせて推移を示しました(図12)。「体重、血圧など健康状態の計測結果を記録してくれるアプリやWebサービス」の伸びが顕著で、特に20代、30代の女性に受け入れられています。スマートデバイスを活用したさまざまな健康関連サービスが登場しており、手軽に健康管理ができる点で支持されていると考えられます。
また、心拍数や活動量など、スポーツや健康管理に必要なデータを自動収集できるスマートウォッチの利用意向も徐々に増えつつあります。特に男性では「健康行動やデータの記録を取りたい」という意向が高く、20代で半数以上の52.2%、70代男性で39.8%と高い割合を示しています(図13)。

 

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