2020.8.7 フレイルの予防と対策/サルコペニアとは?
前回の記事『2020.7.31 フレイルとは?』にて・・・
- フレイルとは
- フレイルの症状・判断とは?
- フレイルの有症率
にしてご紹介しました。2025年には団塊の世代が後期高齢者となりますので、いかにフレイル対策が急がれています。今回はこの「フレイル」を予防するにはどうしたらよいのか、またフレイルに深く関与するといわれる「サルコペニア」についてご紹介します。
フレイルの予防・対策とは
人間の虚弱は”身体的”虚弱だけではなく、”精神的”虚弱や”社会的”虚弱が複雑に絡んでおり、フレイルの予防には、健康長寿の3つの柱となる「栄養(食・口腔機能)」「運動」「社会参加」が重要だとされています。
この3つをどれも欠かさず、維持・改善し、これを継続することが重要です。
また、この3つの柱はお互いに影響し合っており、特に身体が衰える最初の入り口となりやすいのは、「社会参加」の機会低下であり、栄養や運動に気を付けた生活をしていたとしても、社会とのつながりが失われると、身体やこころの衰えがドミノ倒しのように進んでしまう傾向があります。サークル活動やボランティア活動、習い事など、それぞれご自分に合った活動を行うことが大切です。
サルコペニアとは?
「フレイル」の身体的な1つの要因として「サルコペニア」があります。ギリシャ語由来の「Sarco(筋肉)」と「Penia(減少)」を合わせて、「Sarcopenia:サルコペニア」という造語であり、筋肉減弱症とも言われています。
この「サルコペニア」について、厚生労働省によると・・・
『筋肉の量が減少していく老化現象のことです。25~30歳頃から進行が始まり生涯を通して進行します。筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進んでいきます。主に不活動が原因と考えられていますが、そのメカニズムはまだ完全には判明していません。
サルコペニアは、広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群などの抗重力筋において多く見られるため、立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、放置すると歩行困難にもなってしまうことから、老人の活動能力の低下の大きな原因となっています。
筋力・筋肉量の向上のためのトレーニングによって進行の程度を抑えることが可能ですので、歳を重ねる毎に意識的に運動強度が大きい運動(レジスタンス運動)を行うことが大切です。
頻繁につまづいたり立ち上がるときに手をつくようになると症状がかなり進んでいると考えられ、積極的にトレーニングを行うことがその後の生活の質的な安定に大いに役立ちます。特につまづきは、当人や周囲が注意力不足のせいだと思い込んでいることが多いため、筋力の低下が原因と気付かない場合があり、注意が必要です。』
とされています。
低栄養はサルコペニアにつながり、そして身体を動かして使われるエネルギーが低下し、食欲もなくなり、さらに低栄養を進めてしまいます。サルコペニアは要介護状態の入り口となりえる病態ですが、適切な食事や運動で、筋肉量や筋力の維持・改善を期待することができるとされています。
フレイルと密接な関係にあるサルコペニア予防を目的とした商品やサービス、調査結果も多数あります。
- コロンブス/フレイル予防のための高齢者向け運動動画を配信
- ディーエイチシー/シニアの健康寿命と栄養摂取に関する意識調査」“隠れフレイル予備軍”!?「タンパク質」の重要性は認知も、必要量が摂取できているのは約1/3。「普段の食事で十分に栄養が取れている」「意識的にタンパク質を摂っている」という方でも半数以下に。
- 立命館大学/4月1日より厚生労働省が75歳以上を対象とした「フレイル健診」を開始
- ネスレ日本/[後期高齢者(75歳以上)の食と健康に関する実態調査]を発表。75歳以上の“粗食”は“フレイル”(加齢による心身の衰弱)と関連
その他、最新ニュースについては、シニアライフ総研特選ニュースをご覧ください!
【参考・引用】
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・飯島勝矢 監修 東京大学高齢社会総合研究機構 フレイル予防ハンドブック
・飯島勝矢 監修 東京大学高齢社会総合研究機構 フレイルサポーター養成テキスト
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高齢化が進む日本で、「人生100年時代」と言われ、健康寿命を延ばすための取り組みや、「介護予防」、「フレイル対策」など様々なキーワードが登場しています。
今回はこの「フレイル」とは何なのか?どういう状態のことを指すのか?など、「フレイル」についてご紹介します。
フレイルとは
「フレイル」とは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。それによると…
『今後、人口増加が見込まれる後期高齢者(75歳以上)の多くの場合、“Frailty”という中間的な段階を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられている。』Frailty とは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念である。』
また、Frailtyの日本語訳に関しては、『Frailty の日本語訳についてこれまで「虚弱」が使われているが、「老衰」、「衰弱」、「脆弱」 といった日本語訳も使われることがあり、“加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態”といった印象を与えてきた。しかしながら、Frailtyには、しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されている。従って、Frailty に陥った高齢者を早期に発見し、適切な介入をすることにより、生活機能の維持・向上を図ることが期待される。』
しかし、「虚弱」では Frailtyでは身体的、精神・心理的、社会的側面のニュアンス を十分に表現できているとは言いがたい。ということで、日本老年医学会のワーキンググループにて「虚弱」に代わって「フレイル」と呼ばれるようになりました。
フレイルの症状・判断とは?
「フレイル」の状態になると、介護が必要になる危険性が高まるだけでなく、入院のリスクや死亡率も上昇します。では、「フレイル」は具体的にどういう状態のことを指すのでしょうか。
フレイルの診断については様々な基準があるようですが、2016年6月17日 厚生労働省 市町村セミナー「後期高齢者の健康」によると、下記のように5つの項目のうち3項目以上に該当する場合を「フレイル」、また2項目に該当する場合を健常な状態とフレイルの中間として「プレ・フレイル」と判断されています。
フレイルの有症率
では、実際にどのくらいの高齢者が「フレイル」の状態なのでしょうか。
2016年6月17日 厚生労働省 市町村セミナー「後期高齢者の健康」で紹介されている、65歳以上の高齢者を対象とした2013年の調査によると、フレイルの状態の高齢者は約11.5%でした。年齢別にみると、65~69歳では5.6%であるのに対し、80歳以上では34.9%と、年齢が上がるにつれフレイルの有症率も上昇してしています。
年齢別フレイル有症率
また、男女別にみると、男性は12.3%なのに対して女性は11.5%と男性の方が高い傾向にあります。
男女別フレイル有症率
いかがだったでしょうか。少しは「フレイル」について理解できましたでしょうか?2025年には団塊の世代が後期高齢者となりますので、いかにフレイル対策が急がれるかということが分かります。
「フレイル」対策を目的とした商品やサービスも最近では多く見かけるようになりました。
- ユニ・チャーム/「歩行アシストパンツ」穿く、「家ナカ体操」動く、新習慣を提案。高齢者、コロナ禍で外出頻度が減少しフレイル発生リスクあり。93%が健康維持は屋内外問わず軽い運動を重視する
- 雪印ビーンスターク/大人のための粉ミルク「プラチナミルク」を無償提供。給食を提供されている高齢者施設向けに
- 西川/快眠をテーマに、アシックスが監修した運動プログラムを導入。寝具メーカー西川による、フレイル予防のための新健康増進サービスとして、地域コミュニティクラブ『FitMin』を4月1日からスタート!
- 森永製菓/“気軽に”“手軽に”はじめる大人の栄養サポートココア。栄養機能食品「ホネグッド」 2月18日(火)新発売
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【参考・引用】
・一般社団法人日本老年医学会「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」
・厚生労働省「食べて元気にフレイル予防」
・2016年6月17日 厚生労働省 市町村セミナー「後期高齢者の健康」
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先日のマーケターのつぶや記『2020.7.3 認知症は4人に1人時代へ』にて、2012年における認知症有病者数は462万人と推計され、2025年には4人に1人、2060年には3人に1人が認知症に…と予測されていることについてご紹介しました。
そのため、認知症対策も急がれおり、団塊世代が75歳となる平成37年に向け、平成27年に厚生労働省から「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)が策定されました。
今回はその「新オレンジプラン」についててご紹介します。
これまでの主な取り組み
- 平成12年:介護保険法施行
┗認知症に特化したサービスとして、認知症グループホームを法定
┗介護保険サービスの利用者218万人(2018年4月末644万人と3倍に増加)
┗要介護となった原因第1位が認知症に - 平成16年:「痴呆」→「認知症」へ用語を変更
- 平成17年:「認知症サポーター」の養成開始
- 平成26年:認知症サミット日本後継イベントの開催
- 平成27年:関係12省庁で新オレンジプランを策定(平成29年7月改定)
- 平成29年:介護保険法改正
- 平成30年:認知症施策推進関係閣僚会議設置
新オレンジプランとは
平成26年11月に開催された認知症サミット日本後継イベントにて、安倍総理大臣の”我が国の認知症施策を加速するための新たな戦略を策定するよう、 厚生労働大臣に指示をいたします。我が国では、2012年に認知症施策推進5か年計画を策 定し、医療・介護等の基盤整備を進めてきましたが、新たな戦略は、厚生労働省だけでなく、 政府一丸となって生活全体を支えるよう取り組むものとします。”という宣言を受け厚生労働省は、内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、 法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の11の省庁と共に、「団塊の世代が75歳以上となる2025(平成37)年を見据え、認知症の人 の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けること ができる社会の実現を目指す」を目的に平成27年1月に新オレンジプランを策定しました。正式名称は「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさ しい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)」です。
新オレンジプランの具体的な施策
「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進するため、7つの柱に沿って施策が推進されています。
この7つの柱についての具体的な施策をご紹介します。
1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
【基本的な考え方】認知症は皆にとって身近な病気であることを、普及・啓発等を通じて 改めて社会全体として確認する。
- 認知症への社会の理解を深めるための全国的なキャンペーン展開(認知症の人が自らの言葉でメッセージを語る姿等を積極的に発信)
- 認知症サポーターの養成を推進
- 認知症の人を含む 高齢者への理解を深めるような教育を推進
【数値目標】認知症サポーター人数:平成32年度末まで1,200万人
2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
【基本的な考え方】早期診断・早期対応を軸に、「本人主体」を基本とした医療・介護等の有機的連携により、 認知症の容態の変化に応じて、適時・適切に切れ目なく、その時の容態にもっともふさわしい場所で医療・介護等が提供される循環型の仕組みを実現する。
- 本人主体の医療・介護等の徹底
- 発症予防の推進
- 早期診断・早期対応のための体制整備(かかりつけ医・地域の歯科医師・薬剤師の認知症対応能力向上を促進、認知症サポート医の養成を推進、専門医、認定医等の養成の拡充、認知症疾患医療センターの整備、認知症初期集中支援チームの設置)
- 行動・心理症状(BPSD)や身体合併症等への適切な対応(循環型の仕組みを構築)
- 認知症の人の生活を支える介護の提供(「認知症介護実践者 研修」⇒「認知症介護実践リーダー研修」⇒「認知症介護指導者 養成研修」のステップアップ研修、「認知症介護基礎研修」の充実)
- 人生の最終段階を支える医療・介護等の連携
- 医療・介護等の有機的な連携の推進(認知症ケアパスの確立、情報連携ツールの活用、認知症地域支援推進員を配置)
3.若年性認知症施策の強化
【基本的な考え方】 65 歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」といい、全国で4 万人近くいると推計されており、就労や生活費等の経済的問題が大きいこと等から、居場所づくり等の様々な分野にわたる支援を総合的に講じる。
- 普及啓発を進め、早期診断・早期対応へ繋げる(若年性認知症支援ハンドブック」の配布)
- ネットワークの調整役を配置し、若年性認知症の特性に配慮した就労・社会参加支援等を推進
4.認知症の人の介護者への支援
【基本的な考え方】 認知症の人の介護者への支援を行うことは、認知症の人の生活の質 の改善にも繋がるため、家族など介護者の精神的身体的な負担の軽減や、生活と介護の両立を支援する取組を推進。
- 認知症初期集中支援チーム等による早期診断・早期対応
- 認知症カフェ等の設置の推進による、認知症の人の介護者の負担軽減
- 介護ロボット等の開発を支援
5.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
【基本的な考え方】 生活の支援(ソフト面)、生活しやすい環境(ハード面)の整備、就労・社会参加支援及 び安全確保を行い、認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりを推進。
- 生活の支援(買い物や掃除などのソフト面)
- 生活しやすい環境(住まいの確保の支援、バリアフリー化の推進、公共交通の充実などのハード面)の整備
- 就労・社会参加支援・促進
- 安全確保(地域での見守り体制の整備、交通安全の確保を推進、高齢者虐待の防止と身 体拘束ゼロの推進、成年後見制度等の周知や利用促進)
6.認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
【基本的な考え方】 認知症の原因となる疾患それぞれの病態解明や行動・心理症状(BPSD)等を起こ すメカニズムの解明を通じて、認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモ デル、介護モデル等の研究開発を推進。
- 認知症の病態等の解明
- ロボット技術やICT技術を活用した機器、AI等の研究、開発支援・普及促進
7.認知症の人やその家族の視点の重視
【基本的な考え方】 これまでの認知症施策は、ともすれば認知症の人を支える側の視点に偏りがちであった という観点から、認知症の人やその家族の視点の重視をプランの柱の一つとして掲げまし た。これは他の6つの柱のすべてに共通する、プラン全体の理念でもあります。
- 初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援、認知症施策の企画・立案や評価 への認知症の人やその家族の参画
いかがだったでしょうか。この新オレンジプランの施策を受け積極的に取り組む民間企業も多く見られます。シニアライフ総研特選ニュースにて、民間企業の認知症に関する新商品・サービス情報や取り組み情報を随時取り上げておりますので、こちらも是非チェックしてみてください。
【参考資料】
・平成 29(2017)年 7 月改訂版 厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~
・厚生労働省WEBサイト https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
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前回のマーケターのつぶや記の記事『2020.7.3 認知症は4人に1人時代へ』では…
- 認知症による行方不明者が8年で1.8倍
- 認知症のうち7割弱をアルツハイマー型が占める
- 2025年には4人に1人、2060年には3人に1人が認知症
- 認知症発症は男性より女性が多い
についてご紹介しました。
今回も引き続き、『認知症』をテーマに、具体的などんな症状なのか、軽度認知障害(MCI)とはどんなものなのか、加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違いなどについてご紹介いたします。
認知症の症状とは
厚生労働省老健局平成元年6月20日『認知症施策の総合的な推進について』によると…
”脳は私たちのあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。指令がうまく働かなければ、精神活動も 身体活動もスムーズに運ばなくなります。 認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞がしんでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起 こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)をいいます。 認知症の症状として、「中核症状」と「行動・心理症状」があります。 なお、「行動・心理症状」には周囲から見ると、「妄想」等も、本人なりの背景や理由があると言われています。”
正常と認知症の中間=軽度認知障害(MCI)とは
また、正常と認知症の中間の軽度認知障害(MCI)というものがあります。厚生労働省『e-ヘルスネット』によると、軽度認知障害(MCI)とは…
“物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。
- 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
- 本人または家族による物忘れの訴えがある。
- 全般的な認知機能は正常範囲である。
- 日常生活動作は自立している。
- 認知症ではない。
すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。”
一方で、正常なレベルに回復する人もいるようですが、認知症治療薬の効果はないとする研究が多いようです。
認知症と加齢による「もの忘れ」の違いとは
では、正常な「物忘れ」と認知症の「物忘れ」の違いはどのようなものなのでしょうか。
正常なもの忘れ | 認知症によるもの忘れ | |
もの忘れの範囲 | 出来事などの一部を忘れる (例:何を食べたか思い出せない) | 出来事などのすべてを忘れる (例:食べたことそのものを忘れる) |
自覚 | もの忘れに気づき、 思い出そうとする | もの忘れに気づかない |
学習能力 | 新しいことを 覚えることができる | 新しいことを 覚えられない |
日常生活 | あまり支障がない | 支障をきたす |
幻想・妄想 | ない | 起こることがある |
人格 | 変化はない | 変化する(暴言や暴力をふるうようになる、怒りやすい、何事にも無関心になるなど) |
出典:厚生労働省「知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス総合サイト」より
このように、加齢による場合、自分が忘れてしまった事は覚えており、自分が忘れていること自体には自覚があるようです。対して認知症の場合、忘れてしまった事自体に記憶があるようです。
MCIを含めると4人に1人が認知症及びその予備軍
前回の記事で、全国の65歳以上の高齢者について、認知症有病率推定値15%、認知症有病者数約462万人と推計されており(2012年時点)、2025年には730万人になり4人に1人が認知症を発症するとご紹介しました。これに加えて、軽度認知障害(MCI)が約400万人いると想定されるため、有病者と合計すると862万人となり、高齢者の4人に1人は認知症または軽度認知障害(MCI)となります。
いかがでしたでしょうか。次回も、引き続き認知症についてご紹介予定です!!
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先日、警察庁から、2019年の1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は、前年の2018年から552人増え、17,479人であったと発表がありました。
警察は自治体などと協力して行方不明者の早期発見の取り組みを強化しているそうですが、今回はこの『認知症』についてデータを交えながらご紹介します。
認知症による行方不明者が8年で1.8倍
警察庁の発表によると、2019年の1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は、前年の2018年から552人増え、17,479人でした。
統計開始の2012年における認知症による行方不明者数は9,607人で、年々増加し続け2012年と比べると2019年の行方不明者は約1.8倍に増加しています。
「認知症」のうち7割弱をアルツハイマー型が占める
先日の記事でも”介護が必要になる原因No.1は「認知症」ということを紹介しましたが、「認知症」とはどのようなものなのでしょうか。詳しく見てみます。
厚生労働省によると『認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。』とあります。
また、「認知症」は病名ではなく、症候群の名称であり、その原因となる疾患によって分類されます。
- アルツハイマー型:脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮がおこります。
【症状】昔のことはよく覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。軽度の物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。 - 脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまう病気です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因です。
【症状】脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。また障害を受けた部位によって症状が異なります。 - レビ-小体型認知症:脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が破壊されおこる病気です。
【症状】現実にはないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなるといった症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。 - 前頭側頭葉型認知症:◆脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気です。
【症状】感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れなくなるといったことが起こります。
2025年には4人に1人、2060年には3人に1人が認知症
では、実際に認知症患者どのくらいの人数なのか見てみます。2012年における認知症有病者数は462万人となっており、2040年には約2倍の953万人となり、その20年後には1,154万人にもなると予測されています。
割合でみると、65歳以上のうち認知症を発症している人は15%ですが、2025年には20%を超え65歳以上の4人に1人が発病するし、2060年には3人に1人が発病すると予測されています。
認知症発症は男性より女性が多い
それでは、何歳くらいから認知症を発症するのでしょうか。年齢階級別に見てみます。
認知症は年齢と共に増える傾向があり、80歳を超えると有病率は20%を超えています。更に男女別でみると、男性よりも女性の方が割合が高い傾向にあるようです。特にアルツハイマー型認知症は女性に多いようで、その原因として、女性の方が平均寿命・健康寿命が高いこと、また女性ホルモン(エストロゲン)の減少が要因の一つではないかとも言われています。
いかがでしたでしょうか。次回も、引き続き認知症についてデータを交えてご紹介します!
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将来の心配事として大きなトピックスである「介護」。平均寿命が延びているとはいえ、自分自身、いつか一人で生活するのが難しくなる日が来るかもしれません。”いつ頃介護が必要になるのだろう”、”どんな病気に気を付けば良いのだろう”という不安もあるかもしれません。また、若い世代は”いつかは親の介護をしなければ…”、という漠然とした不安もあるでしょう。
そこで、今回は何歳から介護が必要になる可能性があるのか、誰が介護をするのか、どのくらいの期間介護をするのか、何の病気で介護が必要になるのか…などデータを交えてご紹介いたします。
要介護者は男性80~84歳、女性85~89歳が最も多い
”いつ頃介護が必要になるのだろう”について、厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」のデータをご紹介します。
性別にみた要介護者等の年齢階級別構成割合をみると、男性は「80~84歳」が26.1%と最も多く、次いで「85~89歳」20.6%、「75~79歳」17.2%の順に多くなっています。女性は男性より平均寿命が長いのもあり、「85~89歳」が26.2%と最も多く、次いで「90歳以上」24.3%、「80~84歳」が23.8%となっており、男性と女性でボリュームゾーンが異なっています。
性別にみた要介護者等の年齢階級別構成割合
介護が必要になる原因No.1は「認知症」
では、どんな病気で介護が必要になるのかについてですが、要支援者では「関節疾患」が17.2%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が16.2%となっています。要介護者では「認知症」が24.8%で最も多く、次いで「脳血管疾患(脳卒中)」が18.4%、「高齢による衰弱」が12.1%と続いています。総数を見ると、認知症が18.0%と最も多くなっています。
要介護度別にみた介護が必要となった主な原因(上位3位)
同居介護は約6割で、配偶者による介護が最も多い
誰が介護をしているのかについて、要介護者等と「同居」している方が58.7%、「事業者」が13.0%となっており、同居介護が半数以上を占めています。「同居」の主な介護者の要介護者等との続柄をみると、「配偶者」が25.2%で最も多く、次いで「子」が21.8%、「子の配偶者」が9.7%となっています。
要介護者等との続柄別主な介護者の構成割合
介護者は60代女性が最も多い
介護者は男性が34.0%、女性が66.0%となっており、女性の介護者の割合が多くなっています。
介護者の年齢を見ると、男性は「60代」が28.5%と最も多く、次いで「80歳以上」が24.7%、「50代」が21.3%と続いています。女性は「60代」が33.1%と最も多く、次いで「70代」25.1%、「50代」21.1%と続いており、男女共に60代が介護をしている割合が最も大きくなっています。
同居の主な介護者の性・年齢階級 別構成割合
平均介護期間は男性8年、女性12年
介護期間についてですが、厚生労働省『平成28年簡易生命表』によると平成28年の平均寿命が男性80.98年、女性87.14年となっています。また、『健康寿命及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究-平成30年度分担研究報告書』によると、平成28年「日常生活に制限のない期間の平均」の男性平均は72.14年、女性平均は74.79年となっています。
平均寿命と、「日常生活に制限のない期間の平均」の差が介護期間と推測され、男性は約8年、女性は約12年であり、男女差約4年で女性の方が介護期間が長いようです。
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- データ集>6区分・各カテゴリの特徴
前回のマーケターのつぶや記「2020.6.5 シニアのボランティア活動」の記事では…
- 男性のボランティア活動者率は全世代の中でも77~74歳が最も高い
- シニア男性は「地域生活」、シニア女性は「医療・福祉」に積極的
- シニアは「まちづくりのための活動」に最も意欲的な世代
- 団体等に加入してボランティア活動を行う傾向が高い
というデータをご紹介しました。今回は、60歳以上のシニアがボランティア活動だけでなく幅広く活動する「老人クラブ」について、どういう成り立ちなのか、どのくらいのクラブ数があるのか、どういう活動をしているのかについてご紹介いたします。
老人クラブとは
老人クラブとは、昭和38年に施行された「老人福祉法」及び平成13年の「老人クラブ活動等事業の実施について」に基づき、老人の心身の健康の保持増進に資するための事業を行う団体のことです。
地域を基盤とした高齢者が自主的に集まって活動する小地域の範囲の組織で、入会者はおおむね60歳以上の方を対象としており、約30名から100名を標準として活動を行っています。基本的な財源は、会員の会費によってまかなわれており、国、地方自治体より支援を受けながら運営しています。
全国の老人クラブ数と会員数
厚生労働省『平成30年度福祉行政報告例の概況』によると、平成30年度末時点で全国の老人クラブは95,823クラブで、会員は約525マン人となっています。前年比では、老人クラブ数は2.8%減少し、会員数も4.4%減少しており、年々減少傾向にあります。
老人クラブ数・会員数
老人クラブの活動内容
老人クラブの活動内容はクラブによって異なり、多種多様な活動が行われています。老人クラブの会員の話し合いにより「生活を豊かにする楽しい活動」「地域を豊かにする社会活動」を意識した取り組みがなされています。
1. 健康活動
- 日頃の健康管理・正しい生活習慣の学習・実践(栄養・運動・休養、喫煙・飲 酒、病気・ねたきり・認知症の予防、歯・口腔の健康づくり、薬の使い方、医療 機関のかかり方、健康手帳やお薬手帳の活用、事故防止等)
- いきいきクラブ体操・健康ウォーキング・シニアスポーツの実施
- 趣味・サークル活動の拡充、おしゃべり会の開催
- 料理講習会・食事会の開催
- 家庭内外での転倒しない環境づくり、ヒヤリ地図の作成
- 健康診断・歯(口腔)の定期検診の受診促進、体力測定会の開催
- 高齢者医療や介護保険など制度・施策の学習 など
2. 友愛活動
- 関係機関と連携した集いの場づくり(サロン、ふれあい喫茶、居場所の確保等)
- 日常生活の困りごと支援(電球交換、ゴミ出し、物の移動、買い物等)
- 情報の伝達・提供(クラブや町内情報、福祉・防犯・災害・避難などの情報)
- ひとり暮らしや高齢者世帯への安否確認・声掛け・友愛訪問・話し相手・行事等への参加呼び掛け
- 認知症への正しい理解、権利擁護などの学習活動 など
3. 奉仕(ボランティア)活動
- 全国一斉「社会奉仕の日」(9月20日)の取り組み(下記参照)
- 公共施設や道路の清掃・美化・緑化・花づくり
- 資源回収・リサイクル活動
- 高齢者施設におけるボランティア
- 地域(子ども)見守りパトロール活動
- 防犯・防災のための活動
- 伝承や他世代交流
- 高齢者や地域から期待される活動への支援 など
これらの他にも、孤独死などシニアにありがちなトラブルの抑止として相互連絡会として機能したり、高齢者宅を狙う窃盗・強盗・悪徳商法の防犯情報の提供などの活動も見られます。
また、地域の伝統文化や観光資源の保護等、高齢者福祉というに枠に留まらず、シニア自身が主体性を持って社会活動する場も提供しているようです。
子供会がある地域では、子供会と老人会の交流といったイベントを開催するところもみられ、シニアの知恵を地域の子供らに伝えたり、交流の場として子供が顔見知りになる場を提供したりもしています。
老人クラブに参加することで、仲間が増え、行動範囲も広がり、健康へもつながります。また今まで培った知識や経験を活かす場所にもなり、シニアにとって重要なコミュニティでのようです。高齢者が日本の総人口の4人に1人になり、人生100年時代を言われる中、老人クラブの活動に対する社会的な期待は大きそうです。
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子供の登下校時、横断歩道で旗を持ち渡ってくる子供たちに声をかけたり、安全に渡るまで見守っている。また、観光地でガイド役として色々と詳細まで教えてくださる。といった地域のご高齢の方を見かけたことはありませんか?それらは、老人クラブでの活動の一環であったり、ボランティアでやられている事が多いようです。
今回は、シニアの中でどのくらいの方がボランティア活動をしているのか、またどんな事をしているのか…について、データを交えてご紹介します。
男性のボランティア活動者率は全世代の中でも77~74歳が最も高い
総務省『平成28年社会生活基本調査』によると、「ボランティア活動」について、過去1年間に何らかの種類の活動者率は全体で26.0%、65歳以上で25.3%となっています。
男女別で見ると、全体で男性が25.0%、女性が26.9%で、女性が男性より1.9ポイント高くなっていますが、65歳以上でみると男性が28.6%、女性が22.7%と、男性が女性より5.9ポイント高くなっています。
男性は70~74歳が最も数値が高くなっていることから、定年退職までの仕事中心の生活から一変し、時間と気持ちに余裕ができたため、新たにボランティア活動に勤しんでいる方が多いのかもしれません。
「ボランティア活動」の年齢階級別行動者率
シニア男性は「地域生活」、シニア女性は「医療・福祉」に積極的
「ボランティア活動」の種類別に行動者率をみると、男女共に「まちづくりのための活動」が最も高くなっています。
女性は「健康や医療サービスに関係した活動」、「高齢者を対象とした活動」、「障害者を対象とした活動」が男性よりも数値が高く、医療・福祉について積極的な傾向にあります。
男性は上記3種以外の項目全て女性の数値を上回っており、特に、「まちづくりのための活動」については女性より5.9ポイント差で高く、「安全な生活のための活動」については女性より4.9%高いことから、地域生活の貢献に積極的な傾向にあります。
「ボランティア活動」の種類別行動者率(65歳以上)
シニアは「まちづくりのための活動」に最も意欲的な世代
上記の通り、65歳以上の種類別行動者率を見ると「まちづくりのための活動」が最も数値が高くなっていましたが、その他の年代についても見てみます。
25~29歳から年齢が高くになるに伴い数値が上がっており、男性は65~69歳、女性は55~59歳が最も高くなっており、他世代に比べても積極的であることが分かります。また、それをピークを過ぎると年齢による身体的制限があるためか下降傾向にあります。
「まちづくりのための活動」の男女 年齢階級別行動者率
団体等に加入してボランティア活動を行う傾向が高い
「ボランティア活動」の形態別に行動者率をみると、「団体等に加入して行っている」が最も多く、次いで「地域社会とのつながりの強い町内会などの組織」に多くなっています。
特に男性は「団体等に加入して行っている」が女性よりも5.7ポイント高くなっており、団体加入率が高い傾向にありあます。
「ボランティア活動」の形態別行動者率
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近年、社会人やシニアが改めて勉強し直す「学び直し」という言葉をよく耳にします。”人生100年時代”と言われる今、定年後の趣味や教養として取り組むシニアが多いようです。新たなスキルが身に付けば、再就職やボランティア活動などに活かし、充実した定年後や余生を過ごすことが期待できます。
そこで今回は、シニアはどのような学びをしているのか、また何を目的としているのかについて、データを交えてご紹介します。
65歳以上の学びなおし率は、女性より男性の方が多い
総務省『平成28年社会生活基本調査』によると、「学習・自己啓発・訓練」について,過去1年間に何らかの種類の活動者率は全体で36.9%、65歳以上で28.0%となっています。
男女別で見ると、全体で男性が36.5%、女性が37.4%で、女性が男性より0.9ポイント高くなっていますが、65歳以上でみると男性が28.7%、女性が27.4%と、男性が女性より1.3ポイント高くなっています。
そこまで大きな差は見られませんが、男性は定年退職までの仕事中心の生活から一変し、時間に余裕ができたため、新たな学びなおしに取り組む方が多いのかもしれません。
「学習・自己啓発・訓練」の年齢階級別行動者率
65歳を境に学びなおしのジャンル選択が変化
「学習・自己啓発・訓練」の55歳以上の行動者率をみると、55~64歳は現役で仕事をしているためか「商業実務・ビジネス関係」最も高くなっていますが、65歳以上は「芸術・文化」が最も多くなっています。
各ジャンル別にみると、全体的に55~59歳が行動者率が最も高くなっていますが、「家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)」、「芸術文化」については65~69歳が55歳以上の中で最も高くなっています。
このことから、学びなおしに取り組むシニアは、65歳を機に変化するということが分かります。
「学習・自己啓発・訓練」の種類 年代別行動者率(55歳以上)
75歳以上における教養目的の学びなおしは、男性が女性を上回る
目的別の行動者率をみると、男性の場合、55~59歳は「自分の教養を高めるため」と「現在の仕事に役立てるため」がほぼ同数ですが、60歳以降は大きな差がついています。
女性の場合は男性と異なり、55~59歳時点で既に「自分の教養を高めるため」と「現在の仕事に役立てるため」の割合に大きな開きがあります。また、55~74歳は「自分の教養を高めるため」の割合が男性よりも上回っていますが、75歳以降は男性を下回っています。
更に、「自分の教養を高めるため」について、男性は年齢と共に下降傾向にあるもののそこまで大きな変化はないですが、女性は75歳を境に一気に下降していることが分かります。
「学習・自己啓発・訓練」の目的別行動者率(55歳以上)
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新型コロナウイルス感染拡大予防のための自粛によって、外出を控えていらっしゃる方がほとんどかと思います。一部の地域では緊急事態宣言が解除されましたが、一気に皆が行楽や旅行などで外出して三密が増えてしまうと、第2波の感染拡大につながる恐れがあるため、以前の日常が戻ってくるのはまだまだ先のようです。
今年のゴールデンウイークもずっと自宅で過し、そろそろ自粛疲れをしてきていますので、今はまだ叶いませんが、「コロナが落ち着いたらどこか遠くに旅行へ行かない?」こんな会話をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、シニア世代は他世代と比べてどのくらいの割合で旅行に行っているのか、誰と行っているのかなど、新型コロナウイルス感染が拡大する前のデータをご紹介します。
65歳以上の「旅行・行楽」の行動者率は 61.1%
総務省『平成28年社会生活基本調査』によると、「旅行・行楽」の行動者率は全体で73.5%、65歳以上で61.1%となっています。
男女別にみると、全体で男性71.1%女性75.8%で女性が男性より4.7ポイント高くなっていますが、65歳以上では男性61.5%女性60.7%で男性が女性より0.8ポイント高くなっています。
年代別に見ると、10~14歳が最も高くなっており、70歳を境にして行動者率は一気に低下しています。また、全体的に女性が男性を上回っていますが、75歳を超えると男性が女性を上回っています。
「旅行・行楽」の年齢階級別行動者率
引退後の余裕からか、65~69歳は旅行に積極的
「旅行・行楽」の種類別に行動者率をみると、「行楽(日帰り)」が最も多く、次いで「旅行(1泊2日以上)」、「国内」、の順で多くなっています。
55~59歳が全ての項目で最も高くなっており、全体的に年齢が高くになるにしたがって低下傾向にあります。しかし、「行楽(日帰り)」と「観光旅行」については65~69歳が55~59歳に次いで多くなっています。
仕事を引退し、時間とお金に余裕ができたことで、旅行に行く人が増える傾向にあるのかもしれません。
「旅行・行楽」の種類別行動者率(55歳以上)
女性は「友人・知人」と旅行する人が男性よりも多い
「観光旅行」の行動者率を「共にした人」別にみると、全世代では「家族と」が最も多く、次いで「友人・知人・その他の人と」、「一人で」の順で多くなっていますが、55歳以上のシニア世代は、それぞれの年代で3番目が異なっています
55~59歳は「学校・職場の人と」が3番目に多くなっていますが、70歳以上になると「地域の人と」が3番目に多くなっており、年齢によって旅行の同行者も変化するということが分かります。
男女別で見てみると、男性は、「学校・職場の人と」、「地域の人と」、「一人で」が全ての年代で女性を上回っており、女性は「友人・知人・その他の人と」が80歳以上を除くと男性よりも高くなっています。
「観光旅行」を「共にした人」年齢階級別行動者率【男性55歳以上】
「観光旅行」を「共にした人」年齢階級別行動者率【女性55歳以上】
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- データ集>6区分・各カテゴリの特徴
皆さん、趣味はお持ちでしょうか?よく耳にするのは、音楽や映画鑑賞ですが、特に近年インターネットやスマートフォンの普及によってエンターテインメントが身近なものとなりました。更に、以前は特にニッチな趣味分野の場合、なかなか情報収集しづらかったのですが、インターネットで手軽に情報収集できるようになり、他の人たちがどんなモノを見たり・聞いたり・使っているのか等、調べることも簡単になりました。
また、特に特徴的なのはTwitterやInstagram、facebookのSNSの活用によって、会った事がなくとも同じ趣味を持つ人たちとの”つながり”が持ちやすく、コミュニティ化しやすく、幅広い情報交換が可能な時代になりました。
そこで…シニア世代の趣味・娯楽はどのようなものなのでしょうか。今回の記事では、シニア世代の趣味はどのようなものがあるのか、どのくらい時間があるのかについてご紹介します。
65歳以上の「趣味・娯楽」の行動者率は 76.1%
総務省『平成28年社会生活基本調査』の「趣味・娯楽」の年齢階級別行動者率は87.0%となっています。男女別にみると、男性が87.2%で女性が86.8%で男性が女性より0.4ポイント高くなっています。
年代別に見ると、10~14歳が最も高く年齢が高くなるにつれて以下する傾向にあります。男女別にみると、75歳までは女性が上回っていますが、75歳以上は男性が上回っていることが分かります。
「趣味・娯楽」の年齢階級別行動者率
65歳以上のシニアに人気な趣味は「園芸・庭いじり・ガーデニング」
「趣味・娯楽」の種類別に行動者率をみると、全体では「映画館以外での映画鑑賞」が52.1%と最も高く、次いで「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」が49.0%、「映画館での映画鑑賞」が 39.6%、「趣味としての読書」が38.7%、「テレビゲーム・パソコンゲーム」が35.8%と続いています。
65歳以上は、「園芸・庭いじり・ガーデニング」が39.3%と最も高く、次いで「趣味としての読書」が31.2%、「映画館以外での映画鑑賞」が28.4%、「美術鑑賞」が17.3%、「映画館での映画鑑賞」が16.6%と続いており、全体と順位も数値も大きく異なっています。
65歳以上は全体に比べて数値が低い傾向にありますが、唯一「園芸・庭いじり・ガーデニング」については、全体と13.6ポイントと差が大きくなっています。その他全体との差が大きいものは、「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」が33.3ポイント差、「テレビゲーム・パソコンゲーム」が28.2ポイント差、「映画館以外での映画鑑賞」が23.7ポイント差、「映画館での映画鑑賞」が23.0ポイント差と、いずれも65歳以上が下回っています。
「趣味・娯楽」の種類別行動者率(全体と65歳以上の比較)
趣味・娯楽に費やす時間は全体よりもシニアの方が多い
「趣味・娯楽」の種類別に平均行動日数をみると、全体では「テレビゲーム・パソコンゲーム」が149.5日と最も高く、次いで「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」が132.9日、「趣味としての読書」が79.7日、「邦楽(民謡、日本古来の音楽を含む)」が74.8日、「洋舞・社交ダンス」が70.0日と続いています。
65歳以上は、「テレビゲーム・パソコンゲーム」が123.8日と最も高く、次いで「趣味としての読書」が96.1日、「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」が87.9日、「園芸・庭いじり・ガーデニング」が85.4日、「囲碁」が83.4日と続いています。
65歳以上は行動者率とは反対に全体に比べて費やす日数が多い傾向にあります。特に差が大きいのは「映画館以外での映画鑑賞」が32.2日差、「園芸・庭いじり・ガーデニング」が27.9日差、「囲碁」が23.5日差、「陶芸・工芸」が21.3日差、「将棋」が20.6日差と、全体よりも長くなっています。
また、全体よりも特に低いのは「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」で45日の差となっています。
このことから、シニア世代は趣味・娯楽として楽しむ方の割合は全体よりも低い割合にありますが、楽しむ方が費やす時間は長いということが分かります。
「趣味・娯楽」の種類別平均行動日数(全体と65歳以上の比較)
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前回のマーケターのつぶや記『2020.5.1 シニア向け化粧品ブランド』記事で、機能性化粧品の国内市場は伸長傾向にあり、各大手化粧品メーカーもシニア向けのブランドを立ち上げているということをご紹介しました。
今回はシニアのおしゃれへの関心意識と、化粧品にどのくらい金額をかけているのか…についてデータを交えてご紹介します。
70~74歳女性はおしゃれへの関心度が高い
内閣府『平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果』の中にある、おしゃれについてどの程度関心があるのかについての調査結果を見てみると、60歳以上の女性の中で「積極的におしゃれをしたい」と答えた層は、65~69歳が14.4%と最も多く、次いで60~64歳12.7%、70~74歳10.6%と続いています。ただし、「積極的におしゃれをしたい」と「ある程度はおしゃれをしたい」の合計を見てみると、70~74歳が86.0%と最も多く、次いで60~64歳、65~69歳が同数で84.2%となっています。
反対に「あまり関心はない」と「関心はない」の合計を見てみると85歳以上が35.1%と最も高く、次いで80~84歳19.9%、75~79歳16.1%と続いています。
これらのことから、年齢が高くなるほどおしゃれへの関心度が低くなる傾向にあるものの、70~74歳については他世代よりもおしゃれへの関心度が高いことが分かります。
おしゃれへの関心度
化粧品への消費金額に関して、50代は全年代の中で最も高い
2019年の消費動向指数のうち品目分類「化粧クリーム」、「化粧水」、「乳液」、「ファンデーション」、「口紅」、「その他の化粧品」のデータを見てみると、それぞれの合計金額は50代が2,774円と最も多く、次いで40代2,531円、60代2,340円と続いています。
60代は30代よりも消費金額が高く、70歳~については1,901円と全体平均を下回っていますが、~29歳の1,669円よりも高い金額となっています。
このことから、シニア世代は50代が最も化粧品にお金を使っており、年代が上になるにつれ金額が下がる傾向にあるということが分かります。
世帯主の年齢階級別1世帯当たりの品目別支出金額
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富士経済の発表によると、機能性化粧品の国内市場(スキンケア、ベースメイク、ボディケア、ヘアケア)は2019年見込で2兆2,541億円で前年比102.8%、2020年予測で2兆3,827億円。
市場の7割を占めるスキンケアは、2017年にしわ改善を効果効能とする医薬部外品がポーラ、資生堂から投入され、明確なアンチエイジング効果が示されたことで消費者の関心が高まったそうです。
更に2018年から2019年にかけても“しわ改善”を掲げた医薬部外品の投入が相次ぎ、制度品系最高級ブランドから通販系までブランドのバリエーションが広がったことにより幅広い層の需要を取り込み、伸びが続いているとのこと。
また、今後もアンチエイジングを訴求したスキンケアを中心に顕著な伸びが予想されています。
そこで、今回は、国内メーカーの代表的なシニア向け化粧品ブランドをご紹介します。
資生堂 プリオール
公式ブランドサイトでは『プリオールは、大人ならではの悩みを研究し生まれた、ラクに美しくなれる化粧品ブランドです。スキンケア・ベースメイク・ポイントメイク・ヘアケアのラインナップで、「自分らしく輝く」キレイが楽しめます。』とあります。
更に『RIOR:優先する・より重要な 年齢という数字にこだわるよりも、「私らしく輝く」ことを優先し、「私らしい美しさ」を重要と考える女性たちのためのブランドを意味。』。55歳以上の女性を中心としたブランドですが、”シニア”ではなく、”大人”や”年齢という数字にこだわらない”といった間接的な表現になっています。
現在のテレビCMでは、常盤貴子さん、宮本信子さん、原田美枝子さんの3名を起用しており、常盤貴子さんは1972年生まれの48歳、宮本信子さんは1945年生まれの75歳、原田美枝子さんは1958年生まれの61歳ですので、50代以上の女性を意識していることが分かります。
商品ラインナップはスキンケア、ベースメイク、ポイントメイク、ヘアケア商品と多岐にわたっており、いずれも「大人の七難」として、凹凸、影、色、乾く、下がる、見えにくい、おっくう、と7つの悩みを解決するとしています。
スキンケア商品の価格帯は、一番低価格なもので、お試しセットの1,100円(税込)から、ジェル美容液5,830円(税込)までとなっており、そこまで高価格帯のものではありません。
更に、成分や効能以外にも、商品パッケージ自体も転がりにくい工夫や、適量を出しやすいプッシュ式の採用など、使いやすさを考慮されたものになっており、使い方をより分かりやすく表記する等の配慮がされています。
プリオール ブランドサイト:https://www.shiseido.co.jp/pr/
花王ソフィーナ プリマヴィスタ ディア
2011年に新設されたメークのブランドで、企業サイトでは、『50代に、もうひとつのプリマヴィスタ。黄ぐすみ感のない、明るい肌へ』とブランドを紹介されています。またブランドサイトでは、『プリマヴィスタ ディアは、50代の肌研究から生まれた、大人のためのベースメイクブランド。「厚塗り感」のない、ぱっと明るい肌であなたらしい魅力や美しさを輝かせます。』とあります。
商品ラインナップはファンデーション、化粧下地、おしろいの3カテゴリで商品の価格帯はファンデーション 、ファンデーション2,940円(amazon.co.jpでの価格)、化粧下地2,649円となっています。
プリマヴィスタ ディア ブランドサイト:https://www.sofina.co.jp/primavistadea/
カネボウ化粧品 コフレドールグラン
公式ブランドサイトでは、『色・質・形で50代からのキレイの作り方を提案する、高機能メイクアップシリーズ。』として『50代からのキレイをつくる。』『50代からのキレイの作り方』と、”シニア”という言葉はもちろん使用していないようですが、明確に”50代から”と対象年齢を限定する表現で展開しています。
現在テレビCM展開はないようですが、2013年頃は1957年生まれの戸田恵子さんを起用されていました。
商品ラインナップはベースメイク、ポイントメイクで、13品のラインナップがあり、商品の価格帯はファンデーション 、チーク、リップいずれも3,300円(amazon.co.jpでの価格)となっています。
コフレドールグラン ブランドサイト:https://www.kanebo-cosmetics.jp/coffretdor/gran/
いかがでしたでしょうか。
資生堂プリオールはラインナップが非常に多く、シニア世代の肌悩みのニーズを総合的に解決するブランドと言えます。今回ご紹介した企業以外にも、通販企業等、高齢化を見据えてシニア向けブランドを新展開しております。また最近では男性向けのアンチエイジング商品も登場してるようです!
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- シニアの捉え方>シニアの定義・カテゴライズ
- シニアの捉え方>シニア世代の時代背景
- データ集>6区分・各カテゴリの特徴
前回のマーケターのつぶや記「2020.4.17 シニアの健康食品購入重視点・購入チャネル」の記事では…
- シニアの健康食品購入重視点は「効果・目的」
- シニアは若い世代よりも通信販売での健康食品購入が多い
というデータをご紹介しました。
今回は、健康食品を利用・摂取しているシニアはどのくらい満足しているのか、効果を感じているのか。また、購入時にどのような情報を参考にしたのかについてデータを交えてご紹介いたします。
シニアの7割が健康食品の効果を感じている
利用(摂取)している健康食品の効果を感じる程度は、全体で「非常に効果を感じている」が 8.4%、「少しは効果を感じている」が61.8%、効果を感じていない」が 29.9%となっています。
年代別では 18~39 歳で「非常に効果を感じている」が10.9%となっており、他の年代に比べ効果を感じている割合が高いようです。
対してシニア世代は「非常に効果を感じている」が7.3%となっており、「少しは効果を感じている」と合算すると71.3%と、半数以上が効果を感じているようです。
あなたは、ご利用(摂取)の「健康食品」の効果をどの程度感じていますか。
シニアの約半数は健康食品に満足している
利用(摂取)している健康食品に対する満足度は、「大いに満足」が3.9%、「満足」が48.2%、「ど ちらともいえない」が44.6%、「不満」が3.0%、「非常に不満」が0.3%となっています。
年代別に見ると、18~39歳で「大いに満足」(5.3%)、「満足」(53.8%) が合わせて59.1%となっており、他の年代に比べ満足度が高いようです。
対してシニアは「大いに満足」(3.1%)、「満足」(49.4%) が合わせて52.5%となっており、18~39歳に次いで満足度が高くなっています。
あなたが利用(摂取)している「健康食品」に対する満足度をお答えください。
シニアの健康食品に関する情報源はテレビ・ラジオの番組やコマーシャル
健康食品を購入する際に参考にする情報は、「テレビ・ラジオの番組やコマーシャル」が35.9%で最も高く、次いで「口コミ・インターネット等での評判」(31.5%)、「商品のパッケージ、ラベル」(29.0%) となっています。
年代別にみると、18~39 歳では「商品のパッケージ、ラベル」(36.6%)、40~59 歳では「口コミ・ インターネット等での評判」(37.3%)ですが、60~74 歳のシニアは「テレビ・ラジオの番組やコマーシャル」(41.4%) が最も高くなっています。また、シニアは「新聞・雑誌の広告」(29.0%)の情報を参考にする割合が他の年代に 比べ高くなっています。
あなたは、ご利用(摂取)の「健康食品」を購入する際、
どのような情報を参考にしましたか。 (複数回答)
東京都福祉保健局 平成28年2月『都民を対象とした「健康食品」の摂取に係る調査結果報告書』を加工して作成
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- データ集>6区分・各カテゴリの特徴
前回のマーケターのつぶや記「2020.4.10 シニアの健康食品利用について」の記事では、シニアのは若い世代より健康食品の利用率が低いですが、「目の健康」、「老化の予防」、「関節の健康」のために摂取している割合が多い。というデータうをご紹介しました。
今回はシニアが健康食品を購入する際、何に重点を置いて、どこで購入しているのかについてデータを交えてご紹介いたします。
シニアの健康食品購入重視点は「効果・目的」
全体では「健康食品は購入しない(購入したくない)」との回答が 36.1%となっていますが、年代別にみると、年代が高くなるにつれ「健康食品は購入しない(購入したくない)」の割合が高く なっており、60~74歳は最も高く42.1%と約4割に購入意向がありません。
健康食品を購入(摂取)する際の重点としては、全体で「効果・目的」が 20.2%で最も高く、次いで「原材料・ 内容成分(原材料名、原産地、食品添加物、等)」が 10.6%、「値段」が 10.4%となっています。
シニア世代は「効果・目的」が19.9%で最も高く、次いで「原材料・ 内容成分(原材料名、原産地、食品添加物、等)」が11.1%、「特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品であること」が9.2%となっています。
中でも「「原材料・ 内容成分(原材料名、原産地、食品添加物、等)」は他世代に比べて最も高くなっており、「パッケージ(デザイン等)」は0.1%とほとんど重視していないことが分かります。
あなたが健康食品を購入(摂取)するとき(しようとするとき)、
何に重点をおいて選択してい ますか。もっとも当てはまるものを 1 つ、お選びください。
シニアは若い世代よりも通信販売での健康食品購入が多い
健康食品の購入先は、「ドラッグストア」が 48.3%で最も高く、次いで「スーパーマーケット」34.4%、 「インターネットショッピング」31.5%となっています。
60~74歳は「ドラッグストア」が37.9%と最も高く、次いで「インターネットショッピング」34.3%、「スーパーマーケット」31.2%となっており、2番目と3番目の順位が全体と逆になっています。
その他「通信販売」が全体17.1%なのに対し、シニア世代は28.9%と高くなっています。
また、18~39歳は「コンビニエンスストア」が32.4%でチャネルとして3番目に多いのに対し、シニアは8.7%と非常に低くなっています。
あなたは最近1年間で利用(摂取)している「健康食品」を、
どこで購入されますか。(複数回答)
近年、大手企業の通販事業への参入が多くなっており、シニア向けに長尺のテレビCMや新聞広告、折り込みチラシ等でのプロモーションも一般的になりつつあります。そのため、シニア世代にとって通信販売が当たり前のようになっているのかもしれません。
とはいっても、世代によって商品選択時の重視点が異なるため、訴求ポイントは世代に応じて変化させる必要がありそうです。
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前回のマーケターのつぶや記『2020.4.3 シニアは体力に自信ある!?』の記事では、シニアの中でも70代は50代~60代よりも体力に自信があり、運動不足を感じていない。というデータをご紹介しました。
とはいっても、毎日の食事や運動では補えないものはあるかと思います。特に最近では気軽にサプリメントや飲料等、栄養補助的に取り入れやすくなりましたが、シニア世代はどうなのでしょうか…
今回はシニアの健康食品利用・摂取についてデータを交えてご紹介いたします。
シニアは若い世代より健康食品の利用率が低い傾向にある
最近一年間に「利用(摂取)したことがある」健康食品は、特定保健用食品(トクホ)で32.6%、「栄養機能食品」17.1%、「機能性表示食品」12.4%、「いわゆる健康食品」16.4%となっており、トクホ商品が最も多くなっています。
年代別に見ると、年齢が若いほど利用(摂取)経験があるようで、前回の記事でご紹介したように体力に自信があるシニアが多いことに関係するのかもしれません。
あなたは、最近 1年間に下記の健康食品を利用(摂取)したことがありますか。
※利用(摂取)したことがあると答えた割合
シニアの健康食品の利用目的は
「目の健康」、「老化の予防」、「関節の健康」が多い
「健康食品」を利用する目的として、全体では「栄養バランス」が 41.1%で最も高く、次いで「健康増進」(39.9%)、 「疲労回復」(20.1%)となっています。
年代別にみると、18~39 歳では「栄養バランス」(48.0%)、「痩身、ダイエット、体脂肪の抑制」(16.6%)、 「肌荒れ」(11.8%)などの栄養面、美容面の割合が高く、40~59 歳では「疲労回復」(22.1%)、60~ 74 歳では「目の健康」(14.8%)、「老化の予防」(15.7%)、「関節の健康」(12.7%)などの割合が高くなっています。
あなたは、「健康食品」をどのような目的で
利用(摂取)されていますか(いましたか)。(複数回答)
シニアは健康食品の種類の中でも「サプリメント」を多く利用している
利用(摂取)している健康食品の種類として、「サプリメント(錠剤・タブレット・カプセル等)」が 64.4%、「サプリメント以外(飲料、菓子、粉末食品等の形態)」が 48.8%となっています。
シニア世代は「サプリメント(錠剤・タブレット・カプセル等)」が最も多く66.7%となっているようです。
あなたはどのような種類の「健康食品」を
利用(摂取)していますか(いましたか)。(複数回答)
いかがでしたでしょうか?何となくシニア世代は加齢に伴い健康維持を意識していそうなので、健康食品の利用率が高いようなイメージがありましたが、若い世代よりも利用率が低いようです。
最近では、健康志向の高まりを受けスポーツ人口が増加しており、女性を中心にダイエットのトレンドがこれまでの置き換えダイエットから運動による身体作りへとシフトしていることもあり、健康食品の市場は拡大しているようです。特にプロテインは一般のユーザーが増えていることから、アクティブなシニア向けの商品も数々発売されているようです。
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前回のマーケターのつぶや記『2020.3.19 シニアは運動不足??』の記事では、シニアは他世代よりも日常的に運動しており、シニアの運動No.1はウォーキングでした。
今回は、引き続きスポーツ庁発表の平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」から、シニアは実際に体力に自信を持っているのか、運動不足と感じているのか…についてご紹介します。
70代は50代、60代よりも体力に自信がある!
自分の体力についてどのように感じているかを聞いたところ、「体力に自信がある」とする割合が 41.9%(「体力に自信がある」6.1%+「どちらかといえば体力に自信がある」35.8%)、「体力に不安 があある」とする割合が 54.9%(「どちらかといえば体力に不安がある」37.1%+「体力に不安があ る」17.8%)となっています。
年代別に見ると、年代が若いほど「体力に自信がある」とする割合が高い傾向にありますが、50代を底に60代、70代と上昇しています。特に、70代では 46.4%と最も高くなっています。
<年代別> 体力の自信の有無
70代は50代、60代よりも運動不足を感じていない!
普段運動不足を感じるかについて、「感じる」割合が 80.5%(「大いに感じる」39.3% +「ある程度感じる」41.2%)、「感じない」とする割合が 18.1%(「あまり感じない」13.7%+「ほ とんど(全く)感じない」4.4%)となっています。
年代別に見ると、30代~50代で運動不足を「感じる」とする割合が高い傾向がありますが、50代は15.5%、60代は20.5%、70代は27.9%と、年代が高くなるにつれ運動不足と感じてないそうです。
<年代別> 運動不足を感じるか
シニア世代は前回の記事でご紹介した通り、他世代よりも運動をしているため、体力に自信もあり、運動不足を感じていないようですね!
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皆さん、意識的に運動はされていますか?健康な身体で過ごすには、毎日に食生活と適度な運動が必須になります。
内閣府『令和元年版高齢社会白書』によると、平成28(2016)年時点での健康寿命は男性が72.14年、女性が74.79年となっており、それぞれ平成22年(2010)年と比べて延びています。さらに、同じ期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延びを上回っています。
厚生労働省は、この健康寿命を2040年までに2016年と比べて男女とも3年以上延ばす目標を掲げ、男性は75.14歳以上、女性は77.79歳以上を目指しています。また加齢に伴って心身の活力が低下する「フレイル」や、患者が急増する認知症予防の対策をすすめています。
普段から元気にからだを動かすことで 、うつ 、ロコモティブシンドローム、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、認知症などになるリスクを下げることができるとしており、厚生労働省が発表した『2013年健康づくりのための身体活動指針』によると、65歳以上は「じっとしている時間を減らして1日合計40分は動きましょう」としています。
では、実際にシニアは日常的に運動しているのでしょうか?今回はシニアの運動についてご紹介します。
<健康寿命とは…>
2000年にWHO(世界保健機関)が提唱したもので、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
シニアは他世代よりも運動している!
スポーツ実施率についてみてみると、週1日以上運動している割合は70代が一番多く75.0%となっており、一番低い40代と比べて28.3ポイントも高くなっています。60代についても18・19歳よりは低いものの、62.5%と非常に高くなっています。このことから、シニアのスポーツ実施率は他年代に比べて非常に高いことが分かります。
男女別にみると男性の方が実施率が高く、60代では女性が60.6%なのに対して64.5%、70代では女性が73.7%なのに対して73.7%となっています。
<スポーツ実施率> 年代別運動実施率 週1⽇以上
シニアの運動No.1はウォーキング
では、シニアは具体的にどのような運動をしているのでしょうか。平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、60代・70代ともに一番多いのは「ウォーキング」、次いで体操、階段昇降となっています。
ウォーキングに関しては60代が65.1%なのに対し、70代は72.8%と70代の方が割合が高くなっています。
この1年間に行った運動・スポーツの種目 上位20位抜粋
60代 | 70代 | |
ウォーキング | 65.1% | 72.8% |
体操 | 17.7% | 22.8% |
階段昇降 | 15.4% | 19.2% |
トレーニング | 12.5% | 14.4% |
自転車・サイクリング | 11.1% | 13.0% |
ゴルフ(コースでのラウンド) | 9.3% | 11.3% |
エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス | 7.6% | 7.8% |
ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ) | 7.0% | 7.9% |
ランニング・マラソン・駅伝 | 5.5% | 3.6% |
水泳 | 5.5% | 6.0% |
登山トレッキング・トレイルランニング・ロッククライミング | 5.1% | 5.9% |
ボウリング | 3.5% | 3.1% |
釣り | 3.4% | 3.7% |
ハイキング・ワンダーフォーゲル・オリエンテーリング | 3.4% | 5.4% |
テニス・ソフトテニス | 3.0% | 2.6% |
卓球 | 2.8% | 3.8% |
ダンス | 2.8% | 3.9% |
スキー | 2.4% | 2.4% |
バドミントン | 1.5% | 1.1% |
縄跳び | 1.3% | 0.7% |
キャッチボール | 0.8% | 0.6% |
その他 | 1.0% | 1.3% |
平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(平成31年1月調査)を加工して作成
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「シニア」や「シルバー」、「高齢者」、「老人」、「お年寄り」など、様々な呼び方がありますが、実際のところ言葉の定義は非常に曖昧です。シニアの定義・カテゴライズ で詳しくご紹介していますが、一般的には、世界保健機構(WHO)が定義する65歳以上の人を「シニア」「高齢者」と捉える傾向にあります。
尚、シニアライフ総研®では、「シニア」を年齢軸で、現役で会社勤めをする層も含めて、広く「55歳以上の男女」と設定しています。
※シニアの定義・カテゴライズはこちらから
※シニアライフ総研®独自の6つのカテゴリ別の特徴はこちらから
ただ…何となく「シニア」よりも「シルバー」という言葉の方が年齢が年齢が高く感じることはありませんか?そこで、今回は「シルバー」の定義や由来についてご紹介します。
何才からシニア、シルバー、老人、お年寄り、高齢者、と思ってる?
まず、実際のご年配の皆さんご自身は各呼び名についてどう思っているのでしょうか。博報堂生活総合研究所が2016年に60歳~74歳の男女に調査した「シルバー調査」のデータをご紹介します。
「それぞれについて、あなたのお考えでは何才位からだと思われますか?という質問に対しての平均年齢が以下の通りです。
平均 | |
「高齢者」といったら何才位から | 72.16歳 |
「シルバー」といったら何才位から | 68.94歳 |
「老人」といったら何才位から | 75.38歳 |
「お年寄り」といったら何才位から | 74.86歳 |
「シニア」といったら何才位から | 65.53歳 |
年齢の高い順に並べると①老人 ②お年寄り ③高齢者 ④シルバー ⑤シニア ということになり、横文字の方がより若いイメージがあるようですね。
「シルバー」とは…その由来は…
「シニア」は英語「senior」でも、年長者、年上…、日本と同様の使い方をしていますが、「シルバー」は和製英語なのはご存じですか?英語で「silver」といえば、銀、銀食器、銀色という意味です。高齢者といえば白髪が生えているイメージから「シルバー」という言葉が使われていると思われがちですが、実は全く関係ありません。では、なぜ高齢者のことを「シルバー」と呼ぶようになったのでしょうか…
それは、まだJRが国鉄だった時代に遡ります。国鉄は当時、低運賃や快適なサービスを提供する私鉄に流れてしまった乗客を取り戻そうと新たな施策を模索していました。そこで、1973年9月15日の敬老の日に、高齢者や身体が不自由な人のためのサービスとして、山手線、京浜東北線、中央線で優先席を設けることにしました。
しかし、1972年8月26日の読売新聞では、「国鉄赤字8千億円に」と見出しがつくほど、国鉄といえば財政難が課題となっていました。そのため、新たに優先席用に新たな生地を用意する余裕もなく、せめて普通席と区別しやすいように、優先席の色を違う色にしようと考えられた結果、偶然にも国鉄の工場に在庫として余っていた新幹線の座席カバーを使用することになったそうです。
この座席カバーの色がシルバーだったことが由来となり、その後、高齢者などが座る優先席のことを「シルバーシート」と呼ぶようになったのです。国鉄としては「シルバー=高齢者」という意味を定着させるつもりはなかったものの、偶然にもシルバーシートから派生したそうです。
特に誰が「シルバー」を定義しているわけではありません。そのため、各企業がそれぞれのサービスによって定義しているようです。
ただ、当事者の方々は「年寄り扱いされたくない!」という方が多いようですので、シニア・シルバー向けのキャッチコピーは注意しなければならないですね!
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新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で懸念されています。発生源となった中国では、※78,630名の感染者・2,747名の死亡者が確認されています。また、クルーズ船での集団感染を始め日本国内でも感染者が増加しており、※186名の感染者・4名の死亡者が確認されています。
毎日、メディアやSNSなどを通じて、感染の広がりや政府の対応に関する情報が飛び交い、不安を募らせている方も多いかと思います。しかし、一部では、少々ヒートアップしすぎなのでは?という声もあるようです。
確かに致死率はインフルエンザの方が高いですが、新型のウイルスのため今後どのぐらいの影響が生じるのか分からず、予防接種や治療薬もないことから、不安を募らせている方が多いのが現状です。
そこで、今回はコロナウイルスと高齢者についてご紹介いたします。
※患者数・死亡者数:WHOサイトより(2020年2月28日12時)
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
コロナウイルスとは?症状は?
既にご存じだと思いますが、コロナウイルスは、動物や人間に病気を引き起こす可能性のあるウイルスで、コロナウイルス病COVID-19を引き起こします。
最も一般的な症状は、発熱、疲労感、空咳です。一部の患者では、関節の痛み、鼻詰まり、鼻水、のどの痛み、または下痢を起こすことがあります。これらの症状は徐々に始まります。約80%の人は特別な治療を受けずに回復しますが、感染した6人に約1人が呼吸困難などの重症化するようです。
特に、高齢者や、高血圧、心臓病、糖尿病などの疾患がある人は、重症化する可能性が高くなり、※現時点で日本国内で確認されている死亡者4名は、80代男性が3名、80代女性が1名と、いずれも80代の高齢者となっています。
また、※現時点で日本国内のコロナウイルスによる死亡率は約2.2%となっており、世界で見ると約3.4%となっています。
※患者数・死亡者数:WHOサイトより(2020年2月28日12時)
※日本国内死亡者情報:厚生労働省より(2020年2月28日12時)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
インフルエンザで見る、高齢者の危険度
既に国内で4名の80代の方がコロナウイルスにより亡くなられており、世界各国でも高齢者が死亡に至る可能性が高いため、今後注意が必要です。
以前、『2019.11.22 高齢者のインフルエンザについて』の記事でご紹介しましたが、昨年度のインフルエンザによる発症者数が最も多かった2019年1月の入院患者を年齢別に見ると、80歳以上が最も多く、36.9%となっていました。また70~79歳は19.3%、60~69歳は9.1%となっており、60歳以上で全体の65.3%を占めていました。
過去10年間のインフルエンザが死因による死亡者数を見ると増加傾向にあり、80歳以上が特に増加していることが分かります。直近2018年は80代が1,317名で全体の約4割、90代が1,203名で3.6割となっており、65歳以上の高齢者は全死亡者数のうち94%となっています。
インフルエンザによる死亡者数の推移
このように、インフルエンザを見ても、ウイルス感染者は幼児や子供などの若い世代にも多いものの、死亡者数は高齢者の方が圧倒的に高いため、特に医療機関や高齢者向けの施設は院内感染対策と、予防対策をしっかり行う必要があります。
新型コロナウイルスを防ぐには
新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染により感染します。空気感染は起きていないと考えられていますが、閉鎖した空間・近距離での多人数の会話等には注意が必要です。中でも、最低限の手洗いと”うがい”は必須となります。そのほか、首相官邸HPで公表されているものをご紹介します。(動画出典:政府インターネットテレビ)
新型コロナウイルス関連リンク
連日の報道から、SNS等でデマも多く拡散されているようです。コロナウイルスに関する情報には信頼できるものを参考にしてください。
- WHOホームページ:https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
- 首相官邸ホームページ:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
- 厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
- 厚生労働省検疫所ホームページ:https://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html
- 外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
- 経済産業省ホームページ:https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
- 文部科学省ホームページ:https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html
- 国土交通省官公庁ホームページ:http://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000624.html
- 東京都ホームページ:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/tosei/news/2019-ncov.html