2019.4.4 カラーテレビについて

シニアの価値観や購買行動を知る上で、対象者の時代背景やモノ・コトの変化について踏まえておくことが非常に重要です。

例えば、シニアの幼少時の住環境と、現在の住環境を比較してみると、技術の発達によって全く異なります。今では当たり前になっている住宅設備が、幼少期には非常に高価なもので、富裕層の家にしかないモノも多くありました。

そこで、シニアの「モノ」に対する価値観を理解するため、内閣府から毎年発表される『消費動向調査』の「主要耐久消費財の普及率の推移」のデータから、シニア世代の住環境の変化について調べてみました。

第3回目のテーマは、”カラーテレビ”について。

 

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テレビの歴史

◆1953年(昭和28年):シャープより国産第1号の白黒テレビ発売。価格は175,000円(当時の公務員の初任給は高卒で5,400円)。2月1日、NHKがテレビ本放送を開始。8月28日には民放初の日本テレビ ( NTV ) が放送開始。デパートや駅、公園などに設置された『街頭テレビ』には多くの人々が集まり、テレビに映し出されるプロ野球、プロボクシング、 大相撲などに。

◆1955年(昭和30年):4月1日、民放第2局目(ラジオ東京テレビジョン→TBS)開局。

◆1958年(昭和33年):東京タワー誕生。新時代を象徴する『三種の神器』の一つとなる。

◆1959年(昭和34年):NHK東京教育テレビジョン放送開始。日本教育テレビ(NETテレビ、現・テレビ朝日)フジテレビジョン開局。

◆1960年(昭和35年):NHKと民放4局がカラーテレビの本放送をスタート。7月に発売された東芝製のカラーテレビ受像機は21インチで52万円(当時の大卒新入社員初任給は1万数千円)。

◆1963年(昭和38年):鉄腕アトムが初の30分TVアニメシリーズとして開始。NHK初の「大河ドラマ」。衛星中継が最初に流したのはケネディ暗殺ニュース。

◆1964年(昭和39年):日本科学技術振興財団テレビ局(東京12チャンネル、現テレビ東京)開局。「東京オリンピック」のテレビ中継。

◆1965年(昭和40年):初のカラーアニメ「ジャングル大帝」開始。

◆1969年(昭和44年):アポロ11号の人類初月面着陸の様子を38万km離れた月からリアルタイムで中継。日本で月面着陸の瞬間を同時中継で見た人は、NHK・民放合わせて68.3%。同じ日に定時ニュースを含めて、テレビで月面に立った宇宙飛行士を見たと答えた人は、90.8%。(NHK調査)

◆1978年(昭和53年):日本テレビが全国規模としては初のテレソン番組「24時間テレビ・愛は地球を救う」を放送。日本テレビ、音声多重放送開始。

◆1982年(昭和57年):音声多重放送(二ヵ国語放送・ステレオなど)開始。

◆1984年(昭和59年):BS放送(アナログ)衛星放送開始。

◆1989年(昭和64年):6月3日、NHK、衛星(BS)放送本放送スタート。

◆1990年(平成2年):ハイビジョンテレビ発売。

◆1991年(平成3年):民間で初の衛星放送局「日本衛星放送」(JSB)が開局。

◆1993年(平成5年):「マルチメディア放送」を目的とした「CS」(通信衛星)放送事業者が衛星放送に参入。

◆1996年(平成8年):「壁掛けテレビ」登場。

◆2000年(平成12年):地上波デジタル放送開始。

◆2006年(平成18年):携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」、全国29都府県で本放送開始。

◆2010年(平成22年):液晶テレビからLEDテレビに切り替え進む。

◆2011年(平成23年):7月24日地上波アナログテレビ終了しデジタル放送に切替完了。

 


カラーテレビ普及率の推移

国産のカラーテレビ第1号は東京芝浦電気(現・東芝)ですが、1968(昭和43年)年頃から1970年代にかけて「パナカラー」(松下電器産業(現・パナソニック))、「キドカラー」(日立製作所)、「トリニトロンカラー」(ソニー)、「ユニカラー」(東京芝浦電気(現・東芝))、「サンカラー」(三洋電機)、「純白カラー」(日本ビクター(現・JVCケンウッド))、「ロングランカラー」(シャープ)、「ダイヤトロン」(三菱電機)など各社から高性能カラーテレビが出揃いました。

それと同時に大量生産で値段が下がったことによって爆発的に普及し、1973年(昭和48年)にはカラーテレビの普及率が白黒テレビを上回りました。その後、1975年(昭和50年)には普及率が90%を超えています。

しかし、2008年(平成20年)の99.7%がピークに、微増減をしているものの、2018年(平成30年)は96.6%と、携帯電話・スマートフォンの登場により、「テレビ離れ」がテレビ普及率にも表れているようです。

 

出典:内閣府「消費動向調査」平成30年『主要耐久消費財の普及率の推移』二人以上の世帯より

出典:内閣府「消費動向調査」平成30年『主要耐久消費財の普及率の推移』二人以上の世帯より

 


近年のテレビ視聴について

「テレビ離れ」と言われていますが、年代別のテレビ視聴傾向を見てみると、平日にリアルタイムでテレビを視聴している60代は92.2%となっており、全年代の82.6%より10%も高くなっています。

また1日の平均視聴時間については、全世代が168分(約2.8時間)であるのに対して、60代は259.2分(約4.3時間)と、約1.5時間も長くなっています。

 

平日1日のリアルタイムテレビ視聴者率(2016年)

出典:総務省情報通信政策研究所「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

出典:総務省情報通信政策研究所「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

 

平日1日のリアルタイムテレビ視聴平均時間(2016年)

出典:総務省情報通信政策研究所「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

出典:総務省情報通信政策研究所「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

 


近年の情報収集デバイス・コンテンツの多様化が進んだことにより、若い層はパソコンやスマートフォンの利用時間が増え、「テレビ離れ」が進んでいるとはいえ、シニア世代は視聴が減ってはいるものの、まだまだ「テレビ離れ」とは言い切れないようです。

かつて「街頭テレビ」で食い入るように見ていたシニアにとってのテレビに対する思いは、若者のそれとは、少々違いそうですね!

 

 

 

 

 

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